キズナアイさんの服装が「エッチ過ぎる!!!!」ということで批判され、議論になってないような口喧嘩があちこちで発生しておりますが、そもそもゾーニングする意味ってあるのかってことについて考えてみたいなと。
今回の問題って
・NHKっていう清純ぶった場所があんなエロい服装のキャラ使うなや
・子供とかへの教育に悪いだろ
・性消費されてる感あって腹立つ
みたいなのが根本にあるみたいなんですね。
性消費でんでんについては反転した時にいくらでも似たような事例あるし、その辺の帳尻どうやって合わせんのってなったとき血で血を洗う戦いになって、結局娯楽が減るだけのクソ感情論だと思ってるので無視するとして、ゾーニング的立ち位置の意見について掘り下げていきたいのですよ。
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まず「性描写が増えると性犯罪が増える」説については、ある程度科学的データが有りましたので下記ページをもとに見てみます。
少年ジャンプの性描写で性犯罪は増えるのか?問題
・観察研究による事例で犯罪率上がるというデータが有る
→ただし性犯罪のラインが国によってバラけているせいで上振れが確認できていて、信憑性が薄い。また観察研究というのもデータ的に弱い
・性犯罪と性的メディアの流通量に相関はないと言うデータ
→しかも日本に至っては性的メディアが近年増えているけど性犯罪の量は減ってる。だからといって性的メディアが増えると性犯罪が減るとは言い切れはしない
・計量経済学の手法で調べたら「性的メディア無罪!」
→操作変数法と呼ばれる手法で確認した結果、性的なメディアの増加と性犯罪の低下は関係性があった。
ということで性的メディアがあるほど性犯罪が減るとまでは断言しませんが、まず性犯罪が増えるということはなさそうです。
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次に考えていきたいのが情操教育というもの。
要は子供にエッチなもの見せるなって話なんですが、ここの問題はとりあえず2つ思いつきますが
・そもそもエロいエロくないのラインどこだよ
・エロをゾーニングすることによる効果ってなんだよ
っていう部分なんですね。
18禁に感しては乳首だとか性器だとかが露出している場合は該当するみたいなわかりやすい基準がありますけど、昨今行われているエロゾーニングは肌の露出が多いとか、ボディラインがわかりやすいとかそこから少し離れています。
どんな格好だろうとエロを見出す人はいますので、最終的にイスラム教で実施されているヒシャブやニカーブと呼ばれる顔を隠すものを使うレベルまで行く可能性がありますし、もっというと娯楽コンテンツがどんどんカウンターとして規制されていくことも考えられ危険です。
例えば今槍玉に挙げられているのは男性向けコンテンツですが、BLやTLといった少女でも手に取れる性的描写の多いマンガ本をカウンターで規制しようとする男性は必ず現れます。人を呪わば穴二つというやつですね
結局の所主観での判断を社会に持ち込むから面倒くさいことになるんですわな。気持ち悪いという感情を簡単にシェアできて、それを一般化しても良さそうに感じるSNSは魔境ですね。
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そもそも論として子供を性的描写から遠ざけることのメリットってあるのかって話にもなってきますね。
考えられる主張は
・性的コンテンツに早く触れると幼い年齢で妊娠する可能性がある
・性犯罪に手を出す可能性が増える
とかでしょうか。
性犯罪についてはデータ上そんなことはないというのがわかりますので、問題になるのは性コンテンツに早く触れると性行為に手を出しやすくなるかっていう部分ですが、これについては「それなら性教育もしたらやばいよね」っていう話にもなってきてしまいます。
AVを見て性行為に興味を持とうが、性教育によって性行為に興味を持とうがそこに大した差はないのではって話です。人間というのは聞きたいものだけを聴きますから、誰かを無責任に妊娠させてしまうような人はどのようば媒体からそれを学んだとしても、避妊具を利用することなんてまず無いだろうと。
とはいえここの性行為に手を出す可能性についてはデータが特にあるわけではないので、主観での話にしかなりません。ここについては不明であるとしておくのが健全でしょうね。
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まとめ
・主観を一般化するのはやめようね
・性犯罪は性的メディアが増えても増加しないし、むしろ減りそう
・妊娠リスクに関しては不明
・ゾーニングする意味は不明だけど効果ありそうだからってぐらい(データ的には性犯罪を増やしかねない悪手の可能性のほうが高い)
と言う話。
結局こういった問題の根底にあるのって、「男性向けコンテンツのCMとかめっちゃ流れてくるのうぜぇ」って話だと思います。
まあ全くわからんわけでもなく、刀剣乱舞とかああいったコンテンツが世の中に大量にあってそれが暇なく見せつけられまくった場合、興味を持ちにくいものがたくさん視界に入るってことですし多少うんざりはするかなと
ただそうやって誰かが好きなものを規制しようとすれば、それをやられた誰かが反転してカウンターをするのが世の中の常というもので、自分の好きな世の中に変えたいからと規制という簡単な手段を選ぶのはアホくさいよなというのが個人の感想であります。
世の中を自分の好きなように変えたいなら自分が努力して大企業を作り上げ、自分と同じような嗜好を持つ人に向けてコンテンツを発信していけばよろしいのではないかと思うわけです。
ずるい言い方と感じるかもしれませんが、それができないというのであればそれは自分が選ばれた人間ではなくただの庶民であり、弱者として世の中の流れに適応していきながら生きていくことを要求される存在であることを知るのがよろしいかと。
「身の程を知れ」とか「人を呪わば穴二つ」とかこういった言葉が生まれる程度には似たような失敗をした人間は沢山いて、また延々とそんな失敗が繰り返されている世の中なのやもしれませんな。