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苦味があるな?

面白い掛け合いって何なのか考察してみる

小説にせよノベルにせよ日常パートっていうものはたいてい存在するものなんですが、ここで「面白い!」と思うか「退屈…」と思うかの違いはどこにあるのかって考えると、そもそも人間が会話に対して面白いと思うのは一般的にどんなケースなのか気になってくるわけです。

 

で、これに対しての解答はおそらく漫才で、いわゆるボケとツッコミの存在する会話が面白いとなるのではないかと思います。

 

(興味深い話による面白さはまた別にあるだろうけど、これは思想色が強くなりがちなので普遍的と思えませんから一旦置いときます)

 

1.面白いボケとツッコミ

 

仮に「日常会話の面白さはボケとツッコミの存在が前提」とした時、じゃあボケとツッコミさえあれば全部面白いかって言われたらやっぱそうじゃないんですよね。

 

漫才のグランプリがあるようにそこには優劣があるわけで、質的なものが存在するわけです。

 

じゃあそれってなんなのと考えたら、これはやはり『許容できる非常識』であるかどうかが大きなポイントかなと思います。

 

例えばなんですけど渋谷のど真ん中で知らん兄ちゃんが「うおおおおおおお!!!!」とか奇声あげてたらドン引きするじゃないですか。それが打って変わってサンシャイン池崎が漫才をする場で奇声を上げたら面白いとなるわけで、それこそが『許容できる非常識』が面白さとつながるのだと思うポイントなわけです。

 

要は『ボケ側とツッコミ側両方がキャラ的におかしくない非常識を展開することが面白さ』という話になりますね。

 

(非常識伝々が面白さにつながるって話はここで書いてるので気になるならどうぞ)

 

2.具体例を考える

 

ゲーム部っていうVtuber集団がいるんですが、動画の一つに清楚な雰囲気のある部長が、カスだのアホだの言い合う部員の気軽さに憧れてその真似をするものがあるのですが、当然キャラに合ってなかったので許容されず言われた側はショックを受けるというものがありました

 

ただそんなアホだのカスだのの軽口をキャラに合った2人がやる分には、暴言飛び交う会話は許容できる非常識となり面白さにつながってくるわけですね。

 

こんな感じでキャラに合う掛け合いが前提にないと、ドン引きポイントに引っかかってしまって面白さを発揮しにくいです。(実のところ最初に挙げた例自体は部長の行為がボケとなり、それに言及するツッコミで面白さが成立するんですが)

 

これまで書いてきた、軽口をたたき合う二人でボケとツッコミをするなら、お詫びに飯を奢るという話の流れで

 

「じゃあ1万円のランチおごってもらおうかな♪」

「高すぎるだろう!下出に出れば付け上がりおって、このアホピンクめが!」

「なによ!あんたが奢るって言ったんじゃん、このアホメッシュ!」

 

みたいな感じになるんじゃないかと思います。(1万円のランチをおごりに要求するのは非常識なため面白さにつながる)

 

このボケを最初に書いた清楚な部長にやらせると

 

「じゃあハルト君には1万円のランチおごってもらうかな」

「え!?ああ、まあもちろん構いませんよ、奢るって言いましたからね」

「ふふふ、冗談だよ」

 

みたいなちょっと面白いというよりはラブコメディっぽい雰囲気になっちゃいますね。

 

こう考えると真面目なキャラを使って会話に面白さを出していくというのは難しそうです。ツッコミには回せそうですが、少し勢いに欠けそうな気がします

 

基本的に口の悪いキャラであるほどボケとツッコミに勢いを作りやすいので面白さを作りやすそうです。

 

3.もう少し具体的にボケについて考えてみる

 

ボケとツッコミをもう少しわかりやすい言葉に置き換えると、常識(ツッコミ)と非常識(ボケ)ですね。

 

そう考えるとどう考えてもボケのほうが難易度高くて、これは

 

・人は基本常識的

・非常識であってもそれを常識と認知しているのでボケだと思えない

 

という2つの点から難しいと言えます。

 

ツッコミ自体は非常識を「いやそれ常識的に考えてこうだろ!」というふうにカウンターしてやるだけの簡単なお仕事なので、そんなに深く考えなくても良いでしょう。(例えツッコミとかになると難易度上がりますけど、天丼意識とか)

 

ボケをする場合に重要なのは『書き手と読み手どちらも共有できている常識を前提とできるか』って部分で、例えばなんですけど

 

「いや~サイトアフィリエイト全然うまくいかないんだよね~」

「ちゃんと需要の調査したの?」

「したした! グーグルトレンドにキーワード入れて調べたよ、全部100だった!」

「いやあれは流行り廃りを調べられるもので需要はわかんないから!キーワードプランナー使う場面だから!」

 

みたいなボケとツッコミ書いたら多分ほとんどの人が置いてけぼり食らうと思うんですね。

 

これが例えば

 

「あ~お腹空いたなぁ」

「ドルド行ってきたら」

「なにドルドって?」

ハンバーガー売ってる店だよ、みんな知ってるでしょ」

マクドナルドのこと!? あれドルドって略す人始めてみたんだけど!」

 

みたいな話であれば面白さ伝々は置いといてもらうとして置いてけぼりはくらわないと思います。

 

そういうわけでボケるのであればまずは常識を認知して、それを少しずらして話しツッコミ役に指摘してもらうという流れになりますね。

 

3-2.収拾の付け方

 

さっきのマクドナルドのボケとツッコミの掛け合いをした後、話をまた進めようとした場合どうすれば良いのかですね。

 

意外と不自然さなくボケとツッコミの流れから本筋に戻すのって難しくて、ここでつまずくケース多そうなので考えてみることにしました。

 

よくあるのは暗転とか地の文で説明入れて時間を飛ばしちゃうっていう手法で、この方法が一番違和感は薄いかと思います。ただし時間を飛ばすという手法は読み手への情報を削るということで、わからないというストレスを与えてしまうことになりますから多様は厳禁でしょう。

 

他の手法は「まあいいや……で、○○についてなんだけど」みたいに無理やり話を終わらせて戻しちゃうパターンですね。これもおそらく多いやり方だと思います

 

これ以外だとそもそもツッコミを強くやらないことで話の流れをおかしくしないっていうやり方でしょうか。

 

さっきのマクドナルドの例を使うと

 

「あ~お腹空いたなぁ」

「ドルド行ってきたら」

「なにドルドって?」

ハンバーガー売ってる店だよ、みんな知ってるでしょ」

(それマクドナルドのこと!? 普通マックとかマクドって略すんじゃ……)

 

みたいな感じで心の声にしたり、困惑するだけにしてみたりすればそのまま流すことができるわけです。

 

こう考えるとしっかりツッコミを入れてしまうと主題がボケの内容にずれてしまい延々と話が進まなくなっちゃう点は気をつけなきゃいけなそうですね。

 

枠組みを考えるなら日常パートを組む場合はある程度さっくり流す小ボケや、ツッコミをしっかり入れたとしてもまあいいやと場面転換させつつ、最後は大きいボケを入れて場面転換させるというのがきれいな気がします。

 

ツッコミ後の話の流し方は他にも色々ありそうなのでレパートリーとして小説とか読んだ時見かけたら保存していくと良さそうですな

 

4.ボケとツッコミ以外の面白い掛け合いについても考えてみる

 

掛け合いの面白さとしてボケとツッコミに焦点をあてて考えてきたんですが、これだけが全てではないんですよね。

 

例えばですけど漫才で高みを目指す物語の中で、この記事みたいな話が出てきたら「ふ~ん」というまた別ベクトルの面白さを抱かせてくれるでしょうし、ラブコメディでなんとも言えないむずがゆさのある対話も面白い掛け合いの一つだと思うわけです。

 

とはいえ! やはり僕としてはあくまで掛け合いの面白さのベースとなるのはボケとツッコミで、いかに会話の中にこれを盛り込んでいくかが最重要だと思います。

 

もっというと面白さの起点となるのはボケですんで、いかに登場キャラクターたちにボケを混ぜ込めるかって話ですね。

 

僕の性癖の一つに『死んだと思ったキャラに対して涙するんだけど実は生きててめっちゃ照れちゃうヒロイン』っていうのがあるんですけど、あれも死んだと見せかけて生きてました文脈がボケと言われりゃそうなんで、意外とボケとツッコミ以外の面白い掛け合いの例って思いつきませんね…(ここの文章は最初ボケとツッコミ以外の例として書いたけど違う気がした)

 

他の例を考えるなら熱い掛け合いとかかなぁ。グレンラガンの「お前を信じる俺を信じろ」から「お前の信じるお前を信じろ」に変わるシーンとか熱いと思うんですけど、あれは伏線回収的な文脈で掛け合いとはまた違うのかな

 

やっぱり面白い掛け合いは基本ボケにあるって感じですね

 

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話の作り方」について書き、「面白いってそもそも何」という話を書き、面白い掛け合いとはボケとツッコミであるという話を書き、自分なりにお話について理解を深めてきたつもりなんですが、そういや伏線についてまだそんなに考えてなかったなとさっき気づきました。(あとキャラ作りについても考えてないわ)

 

有能な伏線と無能な伏線ってのはまず間違いなく存在すると思うんですが、そこの差って具体的にはどうやって発生するのかとか。そもそも伏線ってどんなものなのかとか

 

僕のイメージだと例えば、日常パートで買い物していたシーンを描き、その後のシーンで「お前いつの間にそんなモノ手に入れたんだよ」→「みんなで買い物した時密かに買っていたのさ」みたいなやつだと思うんですが、これって具体的にいうとどういう定義なんですかね。

 

上記シーンで具体的に何を買ったかまで描写してたら当然伏線じゃないと思うので、『階層を若干浅くして読者に伝えておくってのが伏線の貼り方』なんですかね。

 

面白さの優劣は意外性と伏線回収シーンのインパクトの強さとか? より窮地を脱したほうが伏線の有能さが際立つのかも

 

しかしあれですな。こういうお話を構成について考えてみるというのは楽しいもんなんですが、実際書くとなると結構厳しい。何度か書いてみた印象から考えるにキャラ設定・問題解決を考える・ボケさせる、あたりが苦手なもんで書く手が止まりがちなんでしょうね。

 

こういう記事は兵器で4000文字とか書けるのに……挫けずやってりゃ慣れるでしょうし、とにかくモチベーションを維持することが人生の課題なんでしょうな