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苦味があるな?

ゲーム部で考えたこと

知らない人に端折って説明すると「重労働 + 人格否定で仕事無理」って流れでVtuberの中の人(アニメで言うなら声優)が離脱するっぽい感じになっとるわけですね。

 

現状どうなるかはまだ分からんのですが、それなりにショックを受けていたわけですが、いつの間にか感情はどっかに消え失せて、「どうしてそんな問題が起きたのか」に頭が動き始めたわけです。

 

で、端的にいうなら根本の原因は運営元の稼ぎ方が下手なせいと言えるかなと思います。

 

そもそもゲーム部、コストデカすぎる割に収益性低すぎだよね

 

推測にはなりますが、

 

・声優 x 4

・企画・脚本

・エンジニア(モデル動かしや動画編集など)

・ディレクター

・代表

 

と、ゲーム部プロジェクト動員されている人の数がそれなりにいると思われまして、全員の人件費を合わせたら毎月300万はくだらないだろうと推測できるわけです。

 

で、だいたいですがYoutuberが専業を考えるラインはチャンネル登録者数8万人ほどと言われてますので、そのへんでまあ月40万前後は取れてくるのかなと思います。

 

ゲーム部プロジェクトのチャンネル登録者数は40万人程度ですので、予想できる収益は月200万程度。明らかに人件費をペイできるような状況ではないと推測できるわけです。

 

ただラインスタンプやスーパーチャット、ここあのチャンネルなども加味するとランニングコストと同じぐらいは現状取れてたのかもしれません。

 

しかし、兎にも角にも法人にお金をガッツリ溜め込めるほどの余裕はなかったと推測できます。

 

金がないならどこを削るのか

 

収益が少ない以上、人件費を削るしか無いわけです。

 

人件費を削る場合優先順位は

 

・労力

・収益への貢献度

 

から考えるかと思います。

 

またビジネスモデルとしてトップにお金が集中するのは不可避ですんで、代表やらディレクターの収益は基本削るのは難しいでしょう。(金もらえないのに誰が好き好んで責任のヤバイポジションをやるのかって話にもなりますし)

 

というわけで削るのは声優or脚本orエンジニアなわけです。

 

で労力で考えると声優は収録時間だけ拘束されますから結構なものだと思われますし、エンジニアもその間サポートとしてつきっきりになるかとは思いますので、同じか喋らない分もう少し低いぐらいの労力でしょう。脚本は比較的労力は低いと思います

 

次に考えたいのが収益への貢献度です。今回人件費削減の対象となってる3職種はすべてproductに関わってますから、商品の質。つまり動画を面白くしてくれている人、必要不可欠な人が収益への貢献度が高いと言えます。

 

ゲーム部がヒットしたのはとあるセミナー記事によりますと、日常系の動画を投稿してからと言われています。つまり声優がゲームを実況するよりも、脚本が考えた日常動画のほうが収益への貢献度は高いと言えるでしょう。

 

また日常動画を作る上で労力負担が高いのはエンジニアだろうと思われます。

 

そう考えていくと、人件費の優先順位は

 

脚本>エンジニア>声優

 

になってしまうでしょう。資金がない以上優先順位を設ける必要があり、その結果はこうなる可能性が高いだろうと思われます。

 

とはいえ人格否定はアホだよ

 

ちょっと話逸れますが、中の人のツイートいわく人格否定に近いいじめがあったようです。

 

これが事実だとしたら余裕が無いからとは言え組織運営者として、社員のモチベーションを著しく下げるような行為をするのはアホですね。

 

受動ストレスという概念があるいじょうネガティブな雰囲気を組織内に蔓延させるのはデメリットしか無いですから、それでもするというのは自分の感情をすっきりさせたいがための幼稚な行為でしかありません。

 

とはいえ一方の証言だけを鵜呑みにしてよいのかと言われると怪しいところではあります。双方ともに攻撃的だった場合もありますから(まあ感情としては中の人を養護したい気持ちではありますが……)

 

そもそもの話、運営元のマネタイズが下手

 

Vtuberっていうのはコアなファンが支えている、市場規模があまり大きくない戦場なんですよ。

 

現にVtuberでトップのチャンネル登録者数を誇るキズナアイですら投稿した動画の24時間後の再生数は10万程度、アクティブなユーザー数はかなり少ないことがわかります。

 

Youtubeの収益方法は広告もしくはスパチャです。

 

スパチャはいわゆる投げ銭というやつで、ユーザーからお金を直接もらうチップ的なシステムなんですが、日本はチップ文化が浸透していないためそこまで頼ることのできない収益基盤であると言われています。

 

(ただし配信コストは動画作成より低いためにじさんじみたいに配信ベースにして、スパチャ + アーカイブの広告収入で攻めるのはローコスト化できるためありだと思う)

 

スパチャが微妙である以上広告システムに頼る必要があるわけですが、Youtubeで使える広告はクリック保証型であるため、収益性は母数にかなり依存します。

 

最初に書いたとおりVtuber市場はそこまで母数の大きい戦場ではないので、Youtubeの広告収入をベースとした戦い方をするのはぶっちゃけダメなんですよ。個人レベルなら人件費がほぼゼロになるので問題ないですが、組織でやる場合はそこをベースにしていたら赤字不可避です。

 

ゲーム部なんて1チャンネルに声優4人も確保している高コストチャンネルなんですから尚更であります。

 

だからこそYoutubeの広告収益に依存した戦略をかなりの長い期間やり続けている運営元はマネタイズが下手って話になるわけです。

 

じゃあどういう収益システムが良かったのか

 

これは間違いなくサブスクリプションを活用すべきでした。

 

サブスプリクション制のビジネスモデルというのは、いわゆる月額課金制のものです。毎月500円払ってくれたら有料の動画が見れるよというやつ

 

コアなファンが支えているVtuber市場だからこそ、チャンネル登録者数に対して月額課金制に動員できるユーザーは多いと推測できるのになぜやらないのかマジで理解できないんですよね。2年ぐらいVtuberってのは日の目当たってると思いますけど未だにサブスプリクション制を採用している企業がないのは異常だと思います、マジで

 

例えばですけどゲーム部は現在チャンネル登録者数が40万人、このうち1%を月500円の有料チャンネルに動員できれば4000*500で毎月200万の収益が発生するわけです。これとYoutubeの広告収益を合わせれば一気に楽になったはずでしょう

 

給与が高ければ長時間労働だって耐えられるものですから、運営がこうした収益モデルに手を出すことができればまた違った未来があったように思います。

 

有料チャンネルに人来なくね?

 

という人はニコニコチャンネルで活動する幕末志士という人を見てみるとよいかと思います。

 

彼らは週に1度だけのラジオ配信を行うというスタンスで、予想収益数千万から億単位が想定されてます(チャンネル登録者の中で応募した人全員にグッズをプレゼントするという企画で20000人以上の数値を出していたので、かなりの数チャンネル登録者数を保有していることがわかる)

 

幕末志士はゲーム実況者の中でも屈指の知名度を誇る人物ではありますが、積極的なマーケティングを避けていたりとチャンネル登録者数を増やすための戦略を展開していません。

 

つまり『Vtuberのコアなファン + マーケティング戦略の駆使 + Youtubeのチャンネルという強力な宣伝基盤』という要素を兼ね備えれば十分なチャンネル登録者を獲得し、盤石な収益基盤を作成することができるだろうと推測できるわけです。

 

コンテンツはどうするか

 

Vtuberにとってもっとも訴求力の高いコンテンツは配信です。

 

元々人はライブ感を楽しむことが好きというのもありますし、Vtuberには中の人の素が見えるという特典が更に付いてきます。

 

ゲーム部は特にYoutubeで動画を投稿するスタイルで活動しているため、有料チャンネルでは週に一度ラジオを配信しますと言うだけで、付加価値としてはかなり強力であっただろうと思われます。(プレミア感が中の人を楽しめるという要素と重なりかなり強くなるため)

 

まとめ

 

・給与しょぼくなったのは運営元がマネタイズ下手なのが悪い

・ただ金がない以上声優が一番に負荷かかる場所にはなるだろうと思う

・いじめはあったとしたら人格ヤバイから出家して修行しろ

 

って感じ。

 

マジであんだけコアなファンを抱えまくってマネタイズクソ雑魚なのどうなんすかね。というかVtuberは市場規模をさっさと理解してにじさんじスタイルでローコストで戦うか、最強の収益システムであるサブスクリプション性を採用しろ

 

ニコニコチャンネルっていう既存のプラットフォーム使えば開発費ゼロで行けるんだし最高じゃねーか、手数料とか考えても7割は手元に入るらしいし、めちゃめちゃうまいのになぜやらんのか……

 

ちゃんちゃん