INTP型のブログ

苦味があるな?

なぜ主語デカ案件は発生してしまうのか?

主語デカ案件というのはいくつかのパターンが想定できます。

 

例えば太宰メソッドと呼ばれる「世間はお前のやったことを許さない」←「それってお前の意見だよね?」ってやつとか、「日本人ってなんで白米好きなの?」←「いやいや俺は嫌いだよ」みたいなやつとか。

 

これらの根本に存在するのは「物を言うときに抽象的集団を用いてしまうから」だと思います。

 

世間はお前のやったことを許さないというのも、「東京都23区にて街頭アンケートを1000人に実施した所80%があなたのやったことを許さないと述べています」だったら、そうなんだと思うし80%を根拠に「少なくとも東京都23区の約80%はお前のやったこと許してないよ?」と主張するのもまあ筋は通ってると思う。

 

白米も同じで、何かしらの具体性の高い根拠。もう少し詳しく書くと数字の含まれた根拠が示せれば、抽象度が下がり主語デカ案件ではなくなると考えられる。

 

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じゃあなんでみんな抽象的集団で物を言ってしまうかと言ったら「そんな面倒くさい調査したくないけど口は出したいから」に尽きる。

 

街頭アンケート1000人分なんて相当な労力だし、もし仮に実施して自分の主張したい内容と異なったデータが集まったら骨折り損もいいとこだ。それならまだ署名活動のほうが母数=賛同者となり見栄えがいい。

 

またできる限り集めるなら楽な方がいいからTwitterのアンケート機能を使ってしまう。結果バチバチにバイアスのかかった自フォロワーベースのデータが集まる。(それをもって世間なんていい出したらなんて狭い世間だとなってしまう)

 

テレビを見ているおじさんやらおばさんが「なんでこんなバカみたいなこというのかなぁ」とか「どうしてそこでそのプレーなんだよ!」とか。色々口を出したりしているけれど、じゃあその意見の裏付けには何があるのかと言えば自分の中にあるうろ覚えの記憶やら知識から出てきたに過ぎない。

 

人の記憶が自分の都合のいいように書き換えられるなんていうのは長年言われ続けてきた話で、口出ししてきた人間の言葉なんてたいてい信用ならない。(ここまでの批判もデータを示してないので主語デカ案件)

 

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今の俺もまさにそうなんだけど、

 

  1. なにか問題が起こる
  2. 自分の経験や思想、知識からするとおかしい点が見つかる
  3. そこに口を出したくなる(しかし根拠集めなんてしたくないから経験談ベースにする)

 

という過程を経て主語デカ案件が発生してしまうわけです。

 

しかし本来これは一種の娯楽というか、批判というものはお茶の間でおそらく多くの人類が楽しんできたものなんですよ。

 

それがインターネットの登場によってコンプライアンスとか様々なものに縛られないインフルエンサーによって、家族や同僚だけが聞くようなクローズドな場所で楽しんでた抽象的な批判が多くの人に届くようになってしまった。

 

脈々と受け継がれてきた娯楽がインターネットという媒体を通して、抽象的集団を用いてしまうと多くの人に飛び火するようになった。

 

インターネットで言いたいことを言うのは気持ちいいし、それに目に見えて賛同(いいねやらリツイート)が集まるのは絶頂もの。

 

だから

 

  1. なにか問題が起こる
  2. 自分の経験や思想、知識からするとおかしい点が見つかる
  3. そこに口を出したくなる(しかし根拠集めなんてしたくないから経験談ベースにする)

 

これをみんながみんなやるようになって、拡散されて、主語デカ案件だと騒がれる。

 

そういう意味ではリツイートというシステムが生まれた時点で、主語デカ案件が発生することは自明だったと言えるのかもしれない。

 

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僕は言いたいことを言えるのがインターネットだと思うし、だから嘘を嘘だと見抜ける人しか使うべきではないと思うタイプなのだけど、それはそれとして主語デカ案件にぶっ刺されるのはウザいしイラつく気持ちもある。

 

まあこのネガティブな動機(主語デカ案件に刺されてイラつく気持ち)が再び主語デカ案件を生産して終わりのない地獄を繰り広げていくのだろうけど。

 

難しい話なんですよ。主語デカ案件だろうが、その意見がぴったり自分の心にハマってしまったら飛び火するやつの気持ちなんてどうでもいいし、なんならまずこっちの気持ちを汲むのが優先事項だろと思うのも分かる。もっというとまず最初に主語デカ案件でこっちを傷つけたのはお前らサイドだろとすら、対立構造が出来ていたら思ってしまう。

 

人と人とのネットワークが密接になって、それが大規模になりゃあそりゃ争いは発生するし無くならないわけで。だったら飛び火しそうなワードをミュートにでもしておいたほうが利口だし、なんならコミュニティ的要素の強いインターネットから離れろって話だし。

 

主語デカ案件をどれだけ啓蒙しようがそれがなくなることは無いんだから、自分の立ち回りの中で折り合いつけてくしか無いんだろうな。っていう話でした

 

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啓蒙って言葉を使ったけど主語デカ案件を使うことが正しいと思ってる人もいるから更に複雑よね。

 

主語デカにすることで例えば「経営者はみんな自分のことしか考えてない!もっと労働者をいたわれ!」みたいな、いやいや人のいい経営者もいっぱいいるからと批判したくなる案件も(くくく、こうすることでより多くの人間に届いて問題意識が確立していくぞ…!)という過激な理念の元やってるケースもあったり。

 

個人的な意見としたら過激派は嫌いなんですが、啓蒙って言葉であたかも自分の意見が正しいかのように見せるのも嫌だったので、主語デカ案件も無意識にやってる場合だけでなく、それを狙ってやってることもあるよねと追記しました。