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苦味があるな?

もしも意識が量子だったら

量子脳理論によると、推論の一つに『意識(心)は微小管と呼ばれる量子過程が起こりやすい構造から生じる』というものがあり、つまり我々の意識というものは量子である可能性が示されています。

 

もし仮に量子だった場合、二重スリット実験が示す『未来の可能性が現在に影響を及ぼす』というものが気になってきます。

 

二重スリット実験によれば、量子は非観測状態では波の性質を、観測状態では粒子の状態を示すといいます。波の性質を表すときは波同士が干渉しあい、粒子の状態ではたどり着かない場所に量子がたどり着きます。

 

これは例えば階段の上からボールを10000個転がした場合、ボール同士がぶつかり合いあらぬ方向に飛んでいくことが予想できます(これが波同士の干渉)。そして1つずつ転がしたなら、階段を転々と下りそのまま下に落下していくはずです。

 

しかし量子レベルの世界の場合、一つずつ転がした場合でも10000個を同時に転がしたときのように、ボール同士がぶつかり合ってたどり着くような、本来一つだけのボールではたどり着かない場所に落ちる現象が二重スリット実験で確認されました。(非観測状態の場合)

 

つまり一つのボールは、未来落とされるだろうボールとぶつかりあらぬ方向に飛んでいったと推察できます。

 

もちろんこれは現代において波の状態の量子を観測することができないため、このような推論が成り立つと言うだけでそんなわけがない可能性も十分考えられますが、現時点ではこれを否定することが難しいのも事実です。

 

この二重スリット実験における、波の状態の量子が未来からの影響を受けるということは同時に、『量子である意識も未来に存在するかもしれない意識から影響を受けるのではないか』と考えることができます。

 

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というのが最近遊んだアペイリアに登場する主張のひとつでした。めっちゃ面白いと思ったので自分の言葉でまとめて、覚えておこうという記事です。

 

いくつか疑問点もあって、例えば二重スリット実験はあくまで密閉された真空状態の箱の中の出来事ですから、人間の脳内。もしくは細胞内の出来事を同じく語っていいのかというもの。

 

また仮にこの世の中にX,Y,Z軸が存在するとして、そこが未来と現在でずれている場合の干渉具合はどの程度になるのかという疑問もあったり。(量子が存在しない波の干渉を受けるという事象自体は物理的なように見えるので)

 

もっというと例に上げた現象は非観測状態の一粒の量子がって話なので、意識が量子で構成されているとしてもそれが可能性から影響を受けるかといえばまた難しい話になりますし。

 

まあ世の中の偉い学者さんたちが死にものぐるいで検証している中でまだまだよく分かっていないというのが量子の世界だろうし、脳科学の世界でもあるんでしょうから、仮定に次ぐ仮定でしか無いんでしょうが、久々にこういうの考えてみて面白いな~と思った次第です。ロマンがあるよね。

 

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しかし仮に未来の意識の影響を現在の意識が受けるとしたなら、タイムパラドックス的なものが容易に起きそうですよね。

 

例えば現時点で「明日国内旅行に行こう!」と意思決定をしたとする。そうしたら未来の自分が旅行に行ったことによる幸福感の影響を受けて現在の意識が変化する。すると「明日海外旅行に行こう!」と予定が変化するかもしれない。そうなると未来の行動は国内旅行から海外旅行に変化するので、海外旅行に行こうと思った要因がなくなってしまう。結果ニュートラルの位置である「明日国内旅行に行こう!」に戻ってくるため、以下ループとなる。みたいな

 

でも多世界解釈とか、現在は一つだけど未来は様々な可能性が量子のように重ね合わせで存在している状態。と考えれば別に違和感はないのか。

 

いやーやっぱり色んなSFの題材に使われるだけあって量子の話はおもろいっすねー。個人的にSF好きという感覚はなかったんですけど、これまでの嗜好を鑑みるとSF系が好きなんかなーと思ったり。