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苦味があるな?

自己開示と好感度

基本的に人間が特定の人物に好感を抱く場合、そこにあるのは

 

  1. どういう考え方をしているか
  2. どんな五感情報を渡してくるか

 

の2つだけです。

 

1.どんな考え方

 

配信者Aさんが「LGBT当事者です」と告白した場合、受け手側の反応は以下の3通りに分類できます。

 

  1. 共感する人
  2. 受け入れる人
  3. 拒絶する人

 

まず1の共感する人は最も好感度が上がります。単純に考え方を共有できる人にほど好感を抱く性質があるためです。人間の共有欲は強く、なんなら誕生日が同じとか同い年とか、それだけで好感度が上がっちゃうレベルですから。

 

2の受け入れる人は共感する人よりは低い上昇幅ですが上がります。基本的に考えたの公開は受け入れられると好感度が上昇するんですが、見た目からわかることなどわざわざ言わなくても受け手側がすでに把握している事柄の場合「もう知ってる」と、むしろ好感度が下がる傾向にあるようです。めんどいのでソースは出さんです。

 

3の拒絶する人は離れていくし、場合によってはアンチ化します。ただこれは1と2の割合に比べると非常に少ない傾向にあります。

 

注意点として考え方の公開はの上げ下げの幅は、どれだけ言いづらい話題かが影響します。例えば「天気は晴れのほうが好き!」といった自己開示は大した影響をもたらしません。

 

2.どんな五感情報

 

基本的には視覚と聴覚です。ほか、嗅覚と触覚はオフラインで会う場合は影響します。(触覚は握手するや文化圏によってはハグで影響が出る)味覚は肉体関係にあるか、相手が嘘を見抜くために汗を舐めてくるタイプの人でもない限りは関係ないと思います。

 

知っている五感情報の多さは = 距離感と言えます。

 

そのため多くの著名人は顔出し + 声出しをしてますし、発声練習やメイク、正装などでより優れた五感体験を提供するように心がけています。

 

考え方の公開と同じく、声や顔の公開によって受け手側は3パターンの反応をします。

 

  1. 理想的と感じる
  2. 受け入れられる
  3. 嫌悪感を感じる

 

この辺はわざわざ言語化しなくても良さそうなのでやりません。ただ単純接触効果といって、要はあれは『何度も触れる声と見た目は加点される』みたいな話なんで、優れた声や見た目をしていなくてもめげずに何度もやってればイケボだのなんだの言われるようになるっぽいです。(配信者の方が続けていくうちにイケボやイケメンと言われるようになった、なにも変わってないのに。という体験談を語っていたりする)

 

3.好感は一方通行

 

自己開示をしたことによって発生する好感は基本的には一方通行です。特に五感情報の開示による好感は。

 

一応考え方の公開は認知的不協和というものがあるため、言いづらいことをいうほど伝えた側に愛着が発生したりします。(認知的不協和:言いづらいことは仲の良い人にしか言いたくない→逆に言えば言いづらいことを言えばその人との仲が良くなってしまうというもの→つまり言いづらいことをいうと相手に好感を抱く)

 

ただ認知的不協和は五感情報には影響がありません。(とんでもなく見た目や声にコンプレックスがあって、人前では決してマスクを外さないし、声を出さないとかでもなければ)

 

そんため自分をさらけ出していないのに好感を抱いてくるファンへの好感は、自分をさらけ出しているタイプの人に比べると低い傾向にあるかもしれません。(昔ゲーム部でみりあの声をやってた人はこのパターンな気がする)

 

4.自己開示と嫌われ

 

自己開示は多くの人にとっては恐怖の対象です。

 

というのも大抵の人は好かれる以上に嫌われるリスクのほうが怖いためです。よくポジティブな感情よりネガティブな感情のほうが7倍強いとか言われるんですが、そのとおり人は高評価より低評価に過敏に反応します。

 

Youtubeの悩み相談で多いのが、高評価4ぐらいのところに、低評価が1ついてめちゃくちゃ辛いです。みたいなやつらしいんですが、冷静に考えると5人中4人に好かれてるって凄い状況のはずなんですよ。でも5人中1人の嫌いという感情に強く反応してしまう。

 

だからこそ『自己開示をすることによって嫌われるかもしれない』という感覚が、自分のことをさらけ出す抵抗になっているんですが、ここを乗り越えられないと人から好かれるというのはとても難しいです。

 

とはいえ、普通の人間の営みというのは数百時間活動をともにして(気が合うかもな)と思い、そこから安心感を得つつ、ちょっとの勇気を振り絞って自己開示をし、そこで受け入れられて仲の良さが深まっていく。という流れを踏むので、特にネット上の不特定多数に見られている場所で、自分をさらけ出すというのをやりたくないのは自然ではあるんですけどね。

 

結論を言えば、どんな段階であれ自発的に勇気を出さなければいけなくはあるので、誰かから好かれたいという思いがあるなら、嫌だけど自己開示しなくてはいけないってフェイズがあるとは思います。

 

5.自己開示の内容

 

例えば自分の声は間違いなくキモいし嫌われると思う。とか、自分の考えはかなり荒んでいるので嫌われることしか無い。とか。

 

そういう場合どうするのかといえば、五感情報の場合は発声練習しろということになるし、考えで嫌われるという場合は「でも自分のアイデンティティは早々変わらないんだから、演技しながら生きたくないのなら選別は避けては通れないよね」という話になります。

 

五感情報、特に声による好感って声の質というより音量の不安定さが一番あかんところなので、そこをなんとかすれば嫌われのほうが多くなるってことはあんましないです。長くやってけば単純接触効果も期待できるし。

 

考え方の開示は、楽しく生きたいならとっとと出して、共感できる人を絞ったほうが結局は楽しく生きていけます。

 

ただビジネスとしてやっていくんだ、という場合は演技してしまうのもありだとは思います。言ってしまえば、アイドルはだいたいそんな感じなわけですし。

 

どうしても大衆に受け入れられる考え方とそうじゃない考え方っていうのはありますからね。例えばにじさんじの剣持ってひとはロリコンであることを開示してるんですが、無理な人は絶対ムリなものじゃないですか。でも一定数のファンを持っているわけで、研鑽し尽くした自己ではなく、等身大の自分で勝負しても案外大丈夫なんじゃないかと思います。

 

俺も初期の記事とか自分丸出しみたいな文章ばっか書いてたけど、その頃のが仲良くしようとしてくれる人多かったような気がしますし。

 

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好かれるという価値を得たいのであれば、嫌われるという代償を払わなければいけない。嫌われるという代償を払わないのなら、好かれるという価値も得られない。

 

世の中いいことばっかは難しいってことなんすなぁ。

 

蛇足

 

この話を加味すると個人名のブランディングをするなら、声出し以上はマストな気がする。顔出しもできるならやっちゃったほうが手っ取り早いと思うけど、やりたくないなら馬のマスク被って身体を少し見せるだけでも違うとは思う。体格とか服装とか所作とか、そこらへん見るだけでもぜんぜん違うので。