たまに動画づくりで台本作成する以外、ひたすらインプットだけやってたら異常なまでに不安感が加速してきたニゲェです。
そういう意味ではこのブログにインプットしたことを吐き出すのは精神安定剤でもあるんだなぁと思います。
さて、幸福感に関する研究のひとつに、「友人とは雑談よりも深い話の量を多くすると幸福感が増す」というものがあります。
深い会話をすることで意義のある会話だったと言う感覚が発生するからと考えられているようです。
しかし、ここで大事になるのは「深い会話ってなんだよ」という点です。リンク先では「誰とでも最速で親密な関係になれる36の質問」が案として提示されてます。
リンク先の質問を読んでもらうとわかるんですが、最初のうちは軽いジャブのような「世界中の誰でもディナーに誘えるとしたら、誰に声をかけますか?」みたいな感じなんですが、後半になると「家族のなかで一番死んでほしくない人は?その理由は?」となっています。なんか深そうです。
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深い会話に対するアプローチのひとつとして、マーケティングにおける、人が興味関心を引きやすい話題があります。【ザ・コピーライティング】によれば、人は
- 金
- 性(人間関係)
- 不安
- 自尊心
に関わることに興味を抱きやすいと考えられているようです。修学旅行で「好きな人教えろよ~」ウリウリみたいなのは、深い会話を興味関心という尺度で捉えると、良い話題なわけですね。
タイトルをそろそろ回収していく
「人は何を聞いたらその人のことをわかった気になるの?」とタイトルに書きました。
この「人は何を聞いたらその人のことをわかった気になるの?」の答えこそが、深い会話のトリガーとなるものだと思っています。
【感情から書く脚本術】において、キャラクターの項では共感について書かれています。
共感とは
- 「こいつの気持ちはわかる、私が同じ状況に置かれたら絶対同じことをする」
といった状態を指すとされ、この状態に陥った読者は登場人物と同じ感情を体験してくれるため、脚本家は共感させることを目標にキャラクターを設定します。
では、共感のトリガーとなるものは何なのか? これも書かれています。
- 共感とはつまり、キャラクターと一緒に感じ、置かれた状況や感じ方、そして動機を理解するということ
この書き方だと少し分かりづらいですが、”キャラクターの動機の理解”がトリガーとなっています。
あらゆるキャラクターの設定において、必須となるのが”目的”と”動機”で、例えばある男がビルを爆破したい(目的)と考えているとします。その後爆破理由は、男が過去勤めていて嫌がらせにより退職した企業が入っているから(動機)ということがわかりました。
この動機がわかったときに人はどちらかの反応を示します。
- 共感:「あーわかる、バカども爆破したいよなぁ」
- 軽蔑:「いやなんでそんなことすんの? ひくわ~」
重要なのは、人は動機によってその人の考え方を理解し、そして反応するということです。
共感する人は男の苦悩や解決方法に好感もしくは理解を示したと言えますし、軽蔑する人は逆に嫌悪感や無理解を示したと言えます。なんにせよその背景には人物に対しての認知があります。
人は何を”聞いたら”ryという前提で考えると、わかった気になる話は”動機”です。
お笑いに関する書籍ではこのような例が挙げられていたりもします。
「最近見た映画は?」
「タイタニック」
「最近、映画見てないの?」
「見ていない」
「なんで映画を見ないんですか?」
「1800円出すなら、安い居酒屋で飲み食いしたほうが得だから」(動機)
(お酒が好きで、2000円でお釣りが来る店で、良く飲む人なんだなぁ)
※なおこれは本音で会話しないやつはダメという話だったりします。深い質問に答えられなくなったりするため
本棚を見るとその人の性格がわかると言う話もありますが、本来重要なのは「なぜそうした本を買ったのか」だと言えます。そしてそれを聞いた時はじめてその人がわかった気になります。
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冒頭に出した深い会話も、僕は共感の話と同じく「動機の会話」であるかが大事だと思ってみてます。(現に理由を聞くような会話や、理由を聞きたくなるような会話が多い)
好きな作品は?と聞いたら、「シュタゲ」と返され、「そうなんだ、面白いよね、私も好きだよ」と返しても話は膨らみません。どちらかが「なんで好きなの?」と聞いて「昔のオタクな雰囲気がすき」みたいに動機の話が出てきたら初めて、それに対して感情的反応が出てきます。(「そこなんだw普通、全体のストーリーじゃないの?」「むしろオタク要素要らなくない?」など)
※これを前提に考えると、コミュ強はひたすら性の会話を振って認知的不協和を狙うような輩ではなく、なぜなのかを無理なく掘り下げて膨らましてくれる人なのではと思います。そしてコミュ障は他人の動機に興味がない人なのではないかと。(またコミュ強は相手の興味のある話題を振って、動機を用意しやすくしてあげる人とも言えそうです)
なぜ人が大衆娯楽に金を払うのかと言えば、それは感情的体験をさせてくれるからです。マーケティング業界でも「人は理屈で買うのではなく、感情で買う」と言われますし、人の行動原理はどこまでいっても感情です。
だから感情が刺激される会話こそが深い会話なのではと、そのためには動機の会話になることが重要なのではと思うわけです。
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※こっからは余談です。
5日ぐらいかけてようやく半分ぐらい「感情から書く脚本術」の中身をマインドマップに落とし込めました。いやキツすぎ…
しかし落とし込んでいってみると、割と重複する事柄が書かれていたりして、なるほど。であれば、ここでこうした手法を提案したのはこういう感情を動かしたかったからなのか、とか。他にもこの表現技法は他の場所でも転用できるのか、などなど非常に面白いです。
でも流石にデータをごちゃごちゃぶち込みすぎ……。
一回目読んだ時は相当間違った理解をしてたことがわかったんですけど、これはしょうがないような気もします。まじで一回読んで欲しい、秋葉の同人ショップ並みにごちゃごちゃしてるから。
ただ読みにくいということはそれだけ、読み込んだときのメリットが大きいということでもあるので、モチベーションはそれなりに高いです。
この本の中身を使いながら物語を書いた時、昔書いたクソ小説よりどれぐらい面白くなるのか、これも結構楽しみです。
就活までのリミットがゼロに向かっていくのを認識すると、口に加えたゴムをゆっくり引っ張られるような、精神のすり減る緊張感があったりするんですが、まあそれも選んできた道よなって感じです。
誰かに「”凄い”面白かった」と言わせられる、そんな人間になりたいなと夢想しながら勉強に励むのでした。おわり