一言でいうとスリッページを考慮しない逆指値もしくは成行ベースのロジックを作り、それをもとにしたバックテストを実施すればめちゃくちゃ強いシステムができる(数値上だけ)。ので、これを成績とともに渋谷のカフェあたりで50万程度で売れば詐欺ることができます。
「おいおいそんなの買うバカいないだろ」と思うかも知れませんが、実際に買ったやつがココにいるので大丈夫です。(10年ぐらい前の話)
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具体的にどういうものかというと、例えば
こうすると大抵勝てるシステムができます。
これは逆指値の場合発生するスリッページ、約定ズレの類いを考慮してないためです。
例えばですが、価格上10000円の商品があったとしても、最も安い売値(best ask)が10020円であれば、実際に購入する価格は10020円になります。つまり20円想定価格より高くつかむことになるわけです。
じゃあ実際に価格として表示されてるあれは何なのかといえば、算出方法は取引所とかにもよるらしいので詳しくはあんまり分かんないですが、主観的なイメージだとbest askとbest bidの中間価格が表示されてるような気がします。
例えばbest askが10020円、best bidが9980円であれば、その間の10000円で価格は表示される。みたいなイメージです。この隙間は何なのかといえば、板を形成しているのはmaker(指値発注してる側)でしかないので、その人達の中で今一番安く売りたい人の価格が10020円で、高く買いたい人の価格が9980円なだけです。
(ちなみに「じゃあ11000円で買いたい人はどうなるの?」みたいな疑問に関して言えば、10020円とマッチングするだけということになります)(大抵表示価格より高い指値は成行と同等として扱われます)
逆指値は仕組み上反応するのはbest ask best bid の間の価格です。そして逆指値はトリガー価格に到達したら成行注文を出すというものなので、約定ズレが発生します。
この約定ズレを考慮しなくても良いのであれば、たいてい逆指値はバックテストで良いスコアを出しがちです。
このあたりを考えられてないと「トレンドの中には特定の価格に到達してから、その価格を一度も割らずに上り続けることがある。ということは約定価格から1円でも下がったら損切りすれば、損失を最低限にしつつチャンスを狙い続けられるのでは?」みたいなことを考えて、めちゃめちゃシビアな損切りを備えたシステムを作ってクソつよいバックテスト結果をドヤ顔でツイッターに上げたりします(俺もやったことあるけど)
※ 上のやり方の損切りの問題点はやはりスリッページ。というか損切りに逆指値を使ったシステムは価格の急変で発生する大きなスリッページをバックテストに体系的に盛り込むことが不可能なため、実際の運用結果とバックテストの結果の大きな乖離に苦しむことになる。
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なんで、もしシステムの紹介のなかで逆指値を使ってる気配があったらほぼ確実に詐欺システムだと思うのでやめたほうがいいです。
さらに言えば成行使うようなシステムもやばいです。(逆指値と成行は根本的には同じ取引になるから)
一応、逆指値や成行を使うのであっても、一度の取引の平均期間が数日から数ヶ月なのであればもしかしたら可能性あるかも知れませんけど。ただその場合は勝率が著しく低くなる(長期保有前提はトレンドフォロー系になる。トレンドフォロー系は勝率が高くて2,3割)ので、損益チャートはこの世の終わりぐらいガタガタになるはず。その気配がないならやっぱ詐欺っぽいなと思います。
……この知識があの頃にあったら間違いなく買わなかったのになぁと思うのでした。おわり。