結論から言えば、非効率的なマーケットでリターンを得に行くというのが個人としての自分の考えです。
効率的なマーケットはランダムウォークする
- 情報コストがゼロ
- 取引コストがゼロ
- 全投資家が合理的行動をする
この3条件が揃うとマーケットはランダムウォークすると言われています。ここで言うランダムウォークはブラウン運動だとかカオス理論だとか言われますが、要は予測不可能な動きをするということです。サイコロの次の目を予測することはできません
※情報コストがゼロというのは価格変動するような情報が出たときにそれが素早くマーケットに織り込まれるような状況のこと
また情報コストがゼロでなくても、特定の情報に対して偏った判断が発生しないのであればそれはランダムですし、合理的行動にしても多くの人が偏った判断をしなければランダムウォークすると言えます。
取引コストに関してはそもそも昨今で大きなコストがかかることは少ないです。
完全に効率的なマーケットは存在しない
効率的なマーケットはランダムウォークするため価格予測をすることは出来ず、リターンを得ることは出来ません。
もしマーケットがランダムウォークしていることを前提とするのであれば、世の中の投資家はすべてサイコロを投げて喜んでいるチンパンジーですし、成功した投資家も同じく運良く勝てたチンパンジーです。
ただ実際には勝っている投資家は長期的に勝ち続けていたりします。これは大数の法則を鑑みても、マーケットがランダムウォークしているのであれば考えにくい事実です。
これはマーケットが完全にランダムウォークしているわけではないことの証左だと考えていますし、またランダムでない部分にこそリターンが眠っているということでもあると思っています。
※状況証拠だけでなく色々考え方あるんですが、全部に触れると本になるのでやりません。
マーケットの予測可能な要素や収益機会
リスクプレミアム
※ちょっと書くの面倒くさくなってきたのでざっくり書いていきます
リスクプレミアムは『価格に対して人のリスク感覚が織り込まれる』って話です。
人は利益よりも損失により敏感であるため、リスクが高い商品は同価値を持つものよりリスク分安くなければ買われません。それは逆に言えばリスク分適正価格より安くなっているということであるため、後に適正価格に戻ることでリターンを期待できます
ギャンブラーの誤謬
トレンドに対しての反応を示唆する考え方で、【表が3回続いたら次は裏だと思う】し、【表が30回続いたら次も表だと思う】心理がトレンドをより強いものにするという考え方です。
ギャンブラーの誤謬は適正価格からの乖離を生むため、ミーンリバージョンと呼ばれるリターンを取りに行くことにも繋がります。単純にこれによって生まれるトレンドに乗るという考え方でもいいです。
ミーンリバージョン
適正価格より乖離した価格が元に戻る現象のことです。
この現象によってリターンを得るのであれば適正価格を推定する必要があったり、トレンドがどこまでいくのかを考える必要がありますが、これが非常に難しいポイントです。
ただ個人的には一般的売買益を望むのであればこのミーンリバージョンを狙うか、ギャンブラーの誤謬のようなトレンド発生を狙うしか無いと思っています。
ちなみに自分が今使っているシステムはミーンリバージョンを収益機会にしていると言えます。
確実なことは何もない
とはいえマーケットは基本ランダムなので確実なことは何もないと言われています。
あらゆることは確率的に起きたり起きなかったりするものであり、その確率を味方につける戦い方を身につける必要があると思われます。
例えばギャンブラーの誤謬によってトレンドが発生するのかどうかも確率的なものです。そのためトレンド発生点から全資金をbetするのではなく、段階的にbetしたほうが確率的には有利になります。ミーンリバージョンを収益機会と考えた場合でも同じことです
大数の法則を味方につけない限り、サイコロを振ったチンパンジーに負ける可能性を誰もが持っています。それはあらゆる値動きに確実なことが言えないためです。
マーケットは基本ランダムだけどその中に歪みがある
っていう話でした。
ここでいう歪みというのは参加者の非効率的な判断であったり、情報がゆっくりとマーケットに伝わるなどがわかりやすい気がします。
自分も理解度が高いわけではないのでざっくりとしか書けませんが
- マーケットは基本ランダムだけど歪みはどうしても生まれる
という理解は本質的だと思っています。なぜならマーケットがランダムウォークしているのであれば儲かる投資家は運だけということになっちゃいますし(インデックス投資とかは除く)、参加者が人間である以上心理がマーケットに反映されてしまうからです。
どのような歪みが生まれる可能性があるのかを把握して、どのように収益化することができるかを考える。というのが投資家としての本質的な利益的行動なのかなと思っています。