ctrl + fで検索しただけだから、触れてる人いるかも知れないけど。
形としては、
- とにかく授業に入る前に複数回教科書に目を通しておく
- そうすると授業を聞くだけであとは理解できる
みたいな話だと思うんですが、これは明らか検索練習じゃないですか。
検索練習は勉強の王様とも言える手法で、端的に言えば間を開けて何度も記憶から呼び起こす事を言うんですが、テキストを一度読んでおいたことで、授業中に検索練習が起きて定着率が上がってるのではという。
ただ、上記ケースの準備段階はいわゆるテキストの再読なので、長期的な話でいうと学習効果はそこまで高くないです。検索練習はクイズの形式のように、能動的に問いに対して記憶を呼び起こす作業が必要なので、ただ何度も同じ文章を読むだけの再読は検索練習になりません。(授業の段階で教師から問われるなどすることで検索練習の形が取られるけど)
実際、再読と検索練習で生徒の成績を測定した実験では、5分後のテストでは再読した学生(83%)の方が検索練習をした学生(71%)よりも高い成績を出しましたが、1週間後のテストでは検索練習をした学生(61%)の成績は、再読した学生(40%)よりも高くなりました。
つまり、テキストの再読は短い期間では高い成績を残しますが、1週間で半分以上のことを忘れてしまいます。それでもやらないよりは効果あるでしょうけど。
なんにせよ、最適解とは言えないので上記の方法で結果出せない子も多いはず。
本の学習方法として推奨されるものは例えばブレインダンプとかがあります。読書を終えたあとに、その本に何が書いてあったのか覚えてることをすべて書いて、そのあと本に戻って答え合わせをします。(ちなみにブレインダンプしたあと正しいか確認したらあとは何もしなくていいです、これで最強に学習効果が高まります)
他にトゥーシングス(書いてあったことのうち重要なことを2つだけピックアップするならと考え→それを書き出す)と言う手法もありますが、個人的にはブレインダンプのほうが複雑じゃないのでいいと思います。
40秒復習法と呼ばれるものもあって、これは単に本を読み終わったあと40秒間だけ本の中身を思い返す時間を設けるってやつです。これも検索練習ですね。
さらに言えば、上記方法は多分認知機能が高い人だから結果を出せた可能性が高いです。
マインドマップを作りながらテキストを読んだ場合、中から大程度記憶に残りやすかったっていう研究があったりするんですが、これは被験者の認知機能に応じてブレが大きかったんですよ。
というのもマインドマップが学習に好影響をもたらすのは、本の内容を構造化することによって、認知を助けてくれるからだと言われてるんですね。
認知機能が高いほど難しい本であっても読みながら構造化できちゃうでしょうが、そうでないとなおさら理解がおざなりになります。
そりゃ再読でも10回もやれば記憶に残るかもしれませんが、それよりかは学習効率を高めてやったほうがいいと思うので、それでいうと上記方法はどうなんだと思ったりするわけです。
そんな記事でした。