INTP型のブログ

苦味があるな?

人間は愚か

こんな実験がある。

 

  1. 被験者は楽な作業が大変な作業を行う実験であることを告げられる
  2. 参加者の二人に一人は”決断者”に任命され、乱数装置を与えられる
  3. 乱数装置は緑と赤の円をランダムに表示する機械で、緑が出たら楽な作業を、赤が出たら大変な作業を”決断者”は行う
  4. 決断者が行うことになった作業と違う作業を決断者ではない人間がやることになる
  5. ※決断者はひとりで部屋に残され、乱数装置を使って結果を参照する

 

一文で言うと、「二人に一人はコイントス役を命じられて、楽or大変な作業を決める。ただしそれはお前だけの一人部屋でやってね」というもの

 

被験者は監視下にないので乱数装置を使わず楽な作業をいきなり始めてもいい。ってぐらいズルがしやすい環境下において、人間はズルをするのかが見られる実験。

 

その結果は

 

  • 参加者の92%が自分に楽な作業を割り当てた
  • 乱数装置を使わず楽な作業をいきなり始めたり、
  • 何度も装置のボタンを緑の丸が表示されるまで何度も押したりして

 

面白いことに、研究者は乱数装置を最初の数回は必ず赤い丸を表示するように設定していたので、緑の丸を表示させた奴らはもれなくインチキをしたということ。

 

また監視カメラの映像は、緑の丸が出るまで繰り返した被験者の、まるで自らのやり直しが正当化されていると言わんばかりに、気分良く楽な作業に取り掛かる様子を捉えたという。

 

なお、この実験を何度も繰り返したところ、

 

  • 実験参加者の90%はインチキをした

 

という結果が得られたとのこと。

 

そして、この実験が面白くなってくるのはここからである。

 

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研究者は次に、正当化に関する調査を行うことにした。

 

  1. 先ほどと同じ実験を行う
  2. そして「あなたはどれくらい公平に振る舞いましたか?」と質問を行う
  3. その後、仕掛け人を用意し、インチキをさせて楽な作業をやらせる
  4. その様子を参加者に監視カメラを通じて見せる
  5. ※仕掛け人は別の参加者として認識される

 

最後に「その人物(つまり仕掛け人)はどれくらい公平に振る舞いましたか?」と質問すれば完了だ。

 

つまり、「インチキをした自分への評価と、インチキをした他人への評価は合致するのか」ということだ。最初の質問で公平に振る舞ったと答えたならインチキをした他人も公平だし、逆に公平ではなかったといったなら他人への評価も公平ではなかったとなるはずだ。

 

しかし、結果は

 

  • インチキをした自分は”それなりに公正だった”と評価
  • インチキをした他人は”明らかに非人道的だ”と評価

 

この結果に対して研究者は

 

つまり、大半の人は、自分にとって殆どマイナスにならない場合には利己的な行動を取るだけでなく、自分と同じ勝手な振る舞いをした人間に対しては躊躇なく避難するだろうということだ。すこし言い方を変えれば、ほとんどの人は自制心を働かせて道徳規範を守ることができないうえに、さらにおそらくもっと驚くべきは、自分のやった不正行為は容認するのである。誘惑に負けただけでなく、あとから自分のとった行動にはきちんとした理由があると信じ込んでしまうのだ。こうした現象は、自分の誤りから学ぶという点に関して言えば、まさに諸悪の根源になりうるのが想像できるはずだ。

 

と、コメントしている。

 

彼ら彼女らに対して、「なぜインチキをしたのか?」質問した場合の回答は以下のようになったとのことだ。

 

  • 「まあ、普段はこんなことはしないけど、今日はとても疲れていたのでしょうがなかった」
  • 「予定に送れるのではないかと不安だった。だから仕方がなかった」
  • 「次の番の人が、難しい問題が好きそうなエンジニアタイプの人だと思ったから」

 

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研究者は更に踏み込んだ実験を行った。脳のどの部位が正当化をさせているの、大まかに感情か意識的な理性のどちらが影響しているのか調べた。

 

そのために、2番目の実験方法に更に追加して、「公平に振る舞ったか?」についてたずねる際、目の前のコンピュータの画面から消えたばかりの一連の乱数を記憶させた。

 

これによって大きな認知的負荷を与えた上で、自分あるいは仕掛け人の行動について意見を聞いてみたわけだ。

 

その結果

 

  • 参加者たちは他人の行動に向けたのと同様の非難を、自分の身勝手な行動にも向けた

 

というデータが得られた。

 

研究者は

 

彼らは自分が誘惑に負けたことに気づいて、罪悪感に駆られ、それを素直に認めたのだ

 

とコメントしている。

 

その後、インチキ自体は感情と理性どちらが影響しているのか同様の手段で調べたが、どちらも同様にインチキをすることがわかった。

 

これは被験者が誰にもばれない状態にあるため、理性が影響外にあると言え、つまりインチキの決意には感情的な反応が影響していると考えられた。

 

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ある実験では、一度も嘘をついたことのない三歳の幼児に自分や他人の気持ちを推測する手段を教えた。

 

具体的には、特定の状況において、自分の考えや行動について何が他の人にバレてしまう可能性があり、何が知られずに済むのかについて、子どもたちが理解しやすいよう教えた。

 

その後当てっこのゲームをさせると、上記を教えられた子供は、教えてもらえなかった子供より嘘を付く回数が多かったことがわかった。

 

この結果から研究者は

 

推測力やそれと関連する認知スキルが向上することで子供は巧みに規則を破り、自分の勝利に役立てた。

 

とコメントした。

 

つまり、正当化(嘘)の能力は認知能力の影響が大きいことを示した。そして認知能力は年齢の増加に伴い向上していくものでもある。

 

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すっごい単純化すると

 

  • 子供はズルをする(感情のコントロールが苦手なため)
  • 大人は嘘を付く(認知機能の向上に伴い正当化を行う)

 

ってことですね。

 

そういう意味でいうと一番やべーやつは、感情のコントロールが苦手(ズルをする)な上に頭が良いやつ(自己正当化する)ってことになります。

 

どっかでIQが高いほど自分に嘘を付けるから、正当化しやすいみたいな話も読んだことがあるんで、多分間違いないかなと思います。

 

だから、一番いいのは

 

  • 行動に対しては理性を使う(ズルをしない)
  • 結果に対しては感情を使う(自己正当化をしない)

 

ってことになりますね。

 

感情のコントロールをする力 = セルフコントロール能力だと言えて、感情を使う力 = 共感力と言えるんで、この2つの力を使える人達が増えるといいっすねと思いつつ、そんなうまい話はないわなと思いつつ。

 

『ズルはするけど自己正当化しない or ズルはあんまりしないけど自己正当化はする』はするのどっちかがほとんどでしょうね。『ズルもするし、自己正当化もする』もまあ結構いそうだなぁと思いつつ。

 

……いや違うな。実験のパターンだと『大体はズルもするし自己正当化もする』なわけだから、監視下にあるケースでようやく"ズルはあんまりしないけど自己正当化はする"が成立するかもねってぐらいなのか。うっわ

 

この実験で一番物悲しさがあるのは”人の振り見て我が振り直せ”は全く通用しないって部分ですかね。泥棒が自分のものを誰かに盗まれたとしても、その泥棒を超絶に批判しつつ物を盗み続けるというのは納得の行く話ですし。

 

よくTwitterで過去の発言ほじくり返して批判したりする人いますけど、自己正当化を強めるだけで「ああ、私が間違っていました」なんてパターンはありえんでしょうね。SNS使える程度には認知機能が強い人種には特に。

 

自分がやられたら嫌でしょ?とかも意味なさそうっすね。自分のやってる行為は何かしらの理由付けで正当化されるわけだから、それはそれこれはこれ理論に繋がりそう。

 

他人事じゃないから僕も自己正当化には気をつけたいなぁと思いつつ、多分思考が自動的にそっちに行くことが多いような気がするので、できる限りズルをせず生きたいですね。感情についてもよく考えるようにしつつ。

人は何を聞いたらその人のことをわかった気になるの?

たまに動画づくりで台本作成する以外、ひたすらインプットだけやってたら異常なまでに不安感が加速してきたニゲェです。

 

そういう意味ではこのブログにインプットしたことを吐き出すのは精神安定剤でもあるんだなぁと思います。

 

さて、幸福感に関する研究のひとつに、「友人とは雑談よりも深い話の量を多くすると幸福感が増す」というものがあります。

 

深い会話をすることで意義のある会話だったと言う感覚が発生するからと考えられているようです。

 

しかし、ここで大事になるのは「深い会話ってなんだよ」という点です。リンク先では「誰とでも最速で親密な関係になれる36の質問」が案として提示されてます。

 

リンク先の質問を読んでもらうとわかるんですが、最初のうちは軽いジャブのような「世界中の誰でもディナーに誘えるとしたら、誰に声をかけますか?」みたいな感じなんですが、後半になると「家族のなかで一番死んでほしくない人は?その理由は?」となっています。なんか深そうです。

 

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深い会話に対するアプローチのひとつとして、マーケティングにおける、人が興味関心を引きやすい話題があります。【ザ・コピーライティング】によれば、人は

 

  • 性(人間関係)
  • 不安
  • 自尊心

 

に関わることに興味を抱きやすいと考えられているようです。修学旅行で「好きな人教えろよ~」ウリウリみたいなのは、深い会話を興味関心という尺度で捉えると、良い話題なわけですね。

 

タイトルをそろそろ回収していく

 

「人は何を聞いたらその人のことをわかった気になるの?」とタイトルに書きました。

 

この「人は何を聞いたらその人のことをわかった気になるの?」の答えこそが、深い会話のトリガーとなるものだと思っています。

 

【感情から書く脚本術】において、キャラクターの項では共感について書かれています。

 

共感とは

 

  • 「こいつの気持ちはわかる、私が同じ状況に置かれたら絶対同じことをする」

 

といった状態を指すとされ、この状態に陥った読者は登場人物と同じ感情を体験してくれるため、脚本家は共感させることを目標にキャラクターを設定します。

 

では、共感のトリガーとなるものは何なのか? これも書かれています。

 

  • 共感とはつまり、キャラクターと一緒に感じ、置かれた状況や感じ方、そして動機を理解するということ

 

この書き方だと少し分かりづらいですが、”キャラクターの動機の理解”がトリガーとなっています。

 

あらゆるキャラクターの設定において、必須となるのが”目的”と”動機”で、例えばある男がビルを爆破したい(目的)と考えているとします。その後爆破理由は、男が過去勤めていて嫌がらせにより退職した企業が入っているから(動機)ということがわかりました。

 

この動機がわかったときに人はどちらかの反応を示します。

 

  • 共感:「あーわかる、バカども爆破したいよなぁ」
  • 軽蔑:「いやなんでそんなことすんの? ひくわ~」

 

重要なのは、人は動機によってその人の考え方を理解し、そして反応するということです。

 

共感する人は男の苦悩や解決方法に好感もしくは理解を示したと言えますし、軽蔑する人は逆に嫌悪感や無理解を示したと言えます。なんにせよその背景には人物に対しての認知があります。

 

人は何を”聞いたら”ryという前提で考えると、わかった気になる話は”動機”です。

 

お笑いに関する書籍ではこのような例が挙げられていたりもします。

 

「最近見た映画は?」

タイタニック

「最近、映画見てないの?」

「見ていない」

「なんで映画を見ないんですか?」

「1800円出すなら、安い居酒屋で飲み食いしたほうが得だから」(動機)

 

(お酒が好きで、2000円でお釣りが来る店で、良く飲む人なんだなぁ)

 

※なおこれは本音で会話しないやつはダメという話だったりします。深い質問に答えられなくなったりするため

 

本棚を見るとその人の性格がわかると言う話もありますが、本来重要なのは「なぜそうした本を買ったのか」だと言えます。そしてそれを聞いた時はじめてその人がわかった気になります。

 

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冒頭に出した深い会話も、僕は共感の話と同じく「動機の会話」であるかが大事だと思ってみてます。(現に理由を聞くような会話や、理由を聞きたくなるような会話が多い)

 

好きな作品は?と聞いたら、「シュタゲ」と返され、「そうなんだ、面白いよね、私も好きだよ」と返しても話は膨らみません。どちらかが「なんで好きなの?」と聞いて「昔のオタクな雰囲気がすき」みたいに動機の話が出てきたら初めて、それに対して感情的反応が出てきます。(「そこなんだw普通、全体のストーリーじゃないの?」「むしろオタク要素要らなくない?」など)

 

※これを前提に考えると、コミュ強はひたすら性の会話を振って認知的不協和を狙うような輩ではなく、なぜなのかを無理なく掘り下げて膨らましてくれる人なのではと思います。そしてコミュ障は他人の動機に興味がない人なのではないかと。(またコミュ強は相手の興味のある話題を振って、動機を用意しやすくしてあげる人とも言えそうです)

 

なぜ人が大衆娯楽に金を払うのかと言えば、それは感情的体験をさせてくれるからです。マーケティング業界でも「人は理屈で買うのではなく、感情で買う」と言われますし、人の行動原理はどこまでいっても感情です。

 

だから感情が刺激される会話こそが深い会話なのではと、そのためには動機の会話になることが重要なのではと思うわけです。

 

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※こっからは余談です。

 

5日ぐらいかけてようやく半分ぐらい「感情から書く脚本術」の中身をマインドマップに落とし込めました。いやキツすぎ…

 

しかし落とし込んでいってみると、割と重複する事柄が書かれていたりして、なるほど。であれば、ここでこうした手法を提案したのはこういう感情を動かしたかったからなのか、とか。他にもこの表現技法は他の場所でも転用できるのか、などなど非常に面白いです。

 

でも流石にデータをごちゃごちゃぶち込みすぎ……。

 

一回目読んだ時は相当間違った理解をしてたことがわかったんですけど、これはしょうがないような気もします。まじで一回読んで欲しい、秋葉の同人ショップ並みにごちゃごちゃしてるから。

 

ただ読みにくいということはそれだけ、読み込んだときのメリットが大きいということでもあるので、モチベーションはそれなりに高いです。

 

この本の中身を使いながら物語を書いた時、昔書いたクソ小説よりどれぐらい面白くなるのか、これも結構楽しみです。

 

就活までのリミットがゼロに向かっていくのを認識すると、口に加えたゴムをゆっくり引っ張られるような、精神のすり減る緊張感があったりするんですが、まあそれも選んできた道よなって感じです。

 

誰かに「”凄い”面白かった」と言わせられる、そんな人間になりたいなと夢想しながら勉強に励むのでした。おわり

誰も検索練習に触れてないってマジ?

ctrl + fで検索しただけだから、触れてる人いるかも知れないけど。

 

b.hatena.ne.jp

 

形としては、

 

  • とにかく授業に入る前に複数回教科書に目を通しておく
  • そうすると授業を聞くだけであとは理解できる

 

みたいな話だと思うんですが、これは明らか検索練習じゃないですか。

 

検索練習は勉強の王様とも言える手法で、端的に言えば間を開けて何度も記憶から呼び起こす事を言うんですが、テキストを一度読んでおいたことで、授業中に検索練習が起きて定着率が上がってるのではという。

 

ただ、上記ケースの準備段階はいわゆるテキストの再読なので、長期的な話でいうと学習効果はそこまで高くないです。検索練習はクイズの形式のように、能動的に問いに対して記憶を呼び起こす作業が必要なので、ただ何度も同じ文章を読むだけの再読は検索練習になりません。(授業の段階で教師から問われるなどすることで検索練習の形が取られるけど)

 

実際、再読と検索練習で生徒の成績を測定した実験では、5分後のテストでは再読した学生(83%)の方が検索練習をした学生(71%)よりも高い成績を出しましたが、1週間後のテストでは検索練習をした学生(61%)の成績は、再読した学生(40%)よりも高くなりました。

 

つまり、テキストの再読は短い期間では高い成績を残しますが、1週間で半分以上のことを忘れてしまいます。それでもやらないよりは効果あるでしょうけど。

 

なんにせよ、最適解とは言えないので上記の方法で結果出せない子も多いはず。

 

本の学習方法として推奨されるものは例えばブレインダンプとかがあります。読書を終えたあとに、その本に何が書いてあったのか覚えてることをすべて書いて、そのあと本に戻って答え合わせをします。(ちなみにブレインダンプしたあと正しいか確認したらあとは何もしなくていいです、これで最強に学習効果が高まります)

 

他にトゥーシングス(書いてあったことのうち重要なことを2つだけピックアップするならと考え→それを書き出す)と言う手法もありますが、個人的にはブレインダンプのほうが複雑じゃないのでいいと思います。

 

40秒復習法と呼ばれるものもあって、これは単に本を読み終わったあと40秒間だけ本の中身を思い返す時間を設けるってやつです。これも検索練習ですね。

 

さらに言えば、上記方法は多分認知機能が高い人だから結果を出せた可能性が高いです。

 

マインドマップを作りながらテキストを読んだ場合、中から大程度記憶に残りやすかったっていう研究があったりするんですが、これは被験者の認知機能に応じてブレが大きかったんですよ。

 

というのもマインドマップが学習に好影響をもたらすのは、本の内容を構造化することによって、認知を助けてくれるからだと言われてるんですね。

 

認知機能が高いほど難しい本であっても読みながら構造化できちゃうでしょうが、そうでないとなおさら理解がおざなりになります。

 

そりゃ再読でも10回もやれば記憶に残るかもしれませんが、それよりかは学習効率を高めてやったほうがいいと思うので、それでいうと上記方法はどうなんだと思ったりするわけです。

 

そんな記事でした。

INTPに勇気を与えるドゥンカーの放射線問題

ドゥンカーの放射線問題は以下のようなものになります。

 

胃に悪性の腫瘍のある患者がいた。
その患者は体力がなく、手術はできないので、放射線によって治療しなければならない。
強い放射線を患部にあてれば、腫瘍を破壊することができる。しかし、患部は体の内部にあるので、外から強い放射線をあてると、健康な組織も破壊されてしまう。
どのようにすれば腫瘍だけをうまく破壊することができるだろうか?

 

よかったら少し考えてみてください、その間に少し小話をしてみます。

 

昔、ある将軍が要塞を奪うことを考えていました。
しかし、その要塞までへの道は複数あり、そこには地雷が散らばっています。地雷のある道は少人数のグループでしか通ることが出来ません。ですがそれでは要塞を落とす戦力に足りません。
そこで将軍は少人数のグループを複数の道から送り込み、同時に要塞にたどり着かせることで十分な戦力を持って要塞を奪うことに成功しました。

 

まだ考え中でしょうか?それならもう1つお話をします。

 

火事の現場に消防署長が駆けつけます。
早く消さなければ他の家屋に燃え移ってしまいますが、そこには消火栓がなく、消火活動が出来ません。
近所の人達が何十人も集まり、近くの湖からバケツリレーをして火を消そうとしますが、消える気配がありません。
そこで消防署長は、バケツリレーをやめさせ、全員に湖でバケツに水を汲んでもらい、一度に水をかけてもらいました。
すると火はすぐ弱まり、無事鎮火させることに成功しました。

 

……と、ここまでがドゥンカーの放射線問題です。ちゃんと考えました?

 

ドゥンカーの放射線問題とは類推(アナロジー)による問題解決についての実験で使われたもので、直接的関係のない話でも、問題の答えを導くのに効果があるのか検証したものです。

 

  • 一番最初の問題だけで解けた人はわずか10%
  • 放射線問題と要塞の話を聞いた人は30%
  • 放射線の問題と消防署長の話を聞いた人は50%
  • 放射線の問題と要塞、消防署長の話を聞いた人は80%

 

が、答えにたどり着きました。一応書いとくと、わからなくても何ら問題ありません。アナロジーの価値が伝わればいいだけなので。

 

ちなみに、問題の答えは『複数の弱い光線を様々な方向から腫瘍に当てる』です。

 

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ドゥンカーの放射線問題で気をつけなければいけないのは、これが割と親切な環境下で行われているということです。

 

このケースでは類推に役に立つものが提示されていますし、被験者側も(ヒントなんだろうな)と思える形で提供されています。

 

こうした情報を類推に使う行為は、内的視点と呼ばれるものにハマる危険性があります。

 

内的視点とは、特定の問題に取り組む時、その特定の問題の詳細情報だけで判断をしてしまうことをいいます。

 

例えばドゥンカーの放射線問題で言えば、内的視点は要塞の話と消防署長の話をヒントに問題解決に取り組むということです。今回はうまくいっていますが、意地悪なヒントを提供されていたのであれば、内的視点の落とし穴に落ちるわけです。(例えば有名な予想屋の話を鵜呑みにして、競馬で大負けするとか)

 

逆に外的視点は、現在取り組んでいる問題とは異なるものの中に、構造的類似性を求めて精査することをいいます。

 

ドゥンカーの放射線問題で言えば、「これと似たような問題は何を求めていただろう?」とか、ヒントとして出されたものだけでなく、放射線と似たようなケースはなにかないか、あったとしたらそこから問題解決のヒントを取り出せないかと考えるということです。

 

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ドゥンカーの放射線問題はアナロジーの効果を証明するものです。

 

実際、ノーベル賞受賞者の9割がアートを嗜んでいると言う話もありますし、クローズドな物事でなければ専門特化の学習スタイルは成功例が少なくなります。

 

これらはアナロジー、つまり複数の構造的類似性を持つものがヒントとなって新たなアイデアや、解法が閃くためである。というのが【RANGE知識の幅が最強の武器になる】と言う本で触れられている話のひとつです。

 

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ここでタイトル回収、INTPについてです。

 

MBTIにおけるINTPは、Ti Ne S Feと心理機能を持ちますが、これはいくつかの事柄を土台にして論理的に思考することを得意とするということで、要はアナロジー得意分野ではという話です。

 

これがNe Tiでも、Ni Teでも、Te Niでもダメなんですよ。Ti Neだからこそ良いんです。

 

ガチガチのポジショントークになるのであんまり話せませんが、IQの話をすると、これはそもそも類推の能力なんですよね。

 

もちろんWAISで測るものの場合はその限りじゃありませんが、研究でも使われる多くのIQは欠けた図形を完成させるような、類推能力を計測するものです。だから多くの場所で言われるIQって類推の能力なんですよ。

 

更に言うと、フリン効果が正しいとするならIQは普遍の値ではないので、鍛えることができる数値だったりするんですよね。原住民に教育を行うだけで、点線と実線の四角形を類似するものとして扱えるようになるように。(そりゃ、あらゆる事柄と同じく天井は人それぞれあるだろうけどね)

 

そしてIQ、類推の力がセールスマンに年間売上と相関性を示したり、何かと人生を好転させる要素であることは、いくつかの研究で示されていたりします。

 

※この辺は余談だけど、原住民の話で教育を受けてない人は錯視に騙されないって話があるんですよ。抽象化が出来ないっていうのは、逆に言うと物事を非常に細かく見ているし、判断してるってことでもあるんですよね。だから彼らは赤い花と赤いリンゴを同じ赤でカテゴライズできない。

と、考えると観察能力と抽象化能力って割と相反する要素だと言えるわけですよ。抽象化について知ると錯視に騙されてしまうように、我々は教育とともに類似的要素で様々なものを判断してしまうのかもしれない。

さらに言えば観察能力が下がれば、例えばスポーツをしている時、上手な人の動きを観察しても(なんとな~くこんな動きだったような)と細部まで再現できないし、絵や文字だってそう。だからN型は字や運動が下手な人が多いのではという。

MBTIにおけるIQの分布を見ても、N型が完全上位の形をとっていて、それもまさにIQが抽象化の能力示している証左だし、同時に観察能力と相反しているのではないかと。

高IQほど初体験が遅いと言う話があったりするんですけど、これも性的魅力は五感的要素から生み出されるからで説明がつくんですよね。観察能力が低い人は五感的能力が低い。見たり聞いたり触ったり、それらを再現する能力が低いんだから当たり前ですよね。

そう考えるとMBTIにおいてINTPはトップIQの属性を持つ、最強に抽象化能力の高い、最低に観察できないやつだと言えて、であればアナロジーをするための材料である知識がある程度揃うまでは雑魚中の雑魚なのかもしれないとおもったり。そして必要なものが揃えば人生が楽しくなるのではないかと。若いうちはつらくても粘れって話なのやも。

 

アナロジーにおいて重要なのは、対象のプロジェクトの抽象化と、それと類似する構造物を探し出す力、そして多種多様な知識です。

 

ドゥンカーの放射線問題が示すように、問題解決のプロセスとしてアナロジーは有効であり、その有効策を使うものとしてINTPはマッチしてるよね。だから勇気を与えてくれるよね、って話なわけです。

 

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なお優れた抽象化とは何なのかと言えば、できる限り遠いものの類似した構造を発見する能力だと言えます。遠いものの類似が見つけられるなら近いものは容易ですからね。そういう意味では昨日書いたインターリービングで、遠すぎるものはやめようとありましたが、これは個人の能力に起因するのかも知れません。

 

話戻して、遠いものから類推をした場合、よりよい効果を生み出す例として、このような研究があります。

 

  • 経営学先行の学生150人に対して、架空のコンピュー用マウスメーカー、ミッキー社を救う戦略を立てるように言う
  • 一部の学生に対して、業績改善のためにひとつまたは複数の企業に言及した
  • それ以外の学生にはそうした支持を与えなかった

 

※企業はナイキやマクドナルド、アップルやデルなど

 

結果は以下のようになった

 

  • 一つの企業を示された学生は、示されなかった学生より多くの戦略を思いついた
  • 複数の企業を示された学生はより多くの戦略を考えだした
  • 言及されが企業がミッキー社より離れたものであるほど、アイデアの創出に効果があった(同じコンピュータ関連企業のアップルやデルより、ナイキやマクドナルドを提示された学生がより多くのことを思いついた)

 

Ni持ちから「多くの戦略が思いつく = 正義ではないだろ」とか言われそうですが、Ne持ちとしては多く思いつく = 正義なので、やはり類推するのであれば遠いものであるほどよいと考えます。

 

ちなみに分野などのカテゴライズは多くの人は出来ますが、根底にある構造の類似性を見抜くことは、複数の領域の授業を受けていた統合学科プログラムの生徒が最も得意としたらしいです。

 

根底にある構造の類似性とは、例えば経済バブルと極地の氷が溶けている問題ですね。

 

これはどちらもポジティブ・フィードバック・ループを構造の根底に持ちます。(経済バブルは消費者が株式や不動産を上がると思って購入する→購入によって更に上る→上がったのを見てさらに購入につながる、極地の氷が溶けている問題は氷が溶けると宇宙に跳ね返される太陽光の量が減り、それによって地球の温度が上がって更に氷が溶ける)

 

こう考えていくと、謎掛けの力はアナロジーの力と言えるのかも知れません。そして今こうやって僕が書いたのもアナロジー

 

抽象化と類似点を見つけることは好きなことなので特に意識しなくても問題ないような気がしますが、知識に関しては色んなことを知るというのは意外と面倒くさくてTwitter見たりYoutube見たりしてうすーくせまーくやっちゃったりするので、そうならないよう本読むようにしたいなぁと思います。

インターリービングとかいう最強の学習方法

今日読んでた本で「ブロック練習は雑魚、インターリービングで学習せよ」って主張が載ってて、「は?そうじゃないやろ」と思ったので、理想的な学習方法について書きます。

 

1.ブロック練習とインターリービングの違い

 

そもそもブロック練習とインターリービング練習は何が違うのよって話ですが、これは

 

  • ブロック練習:一つ一つまとめて学習する方法
  • インターリービング練習:ランダムに学習していく方法

 

のことをいいます。

 

例えば、10個の英単語を学習しようというときに、現在形を覚えて過去形を覚えて過去分詞を覚えるみたいなやり方はブロック練習です。

 

インターリービングは現在形→過去形→現在形→過去分詞→過去形→現在形みたいにランダムな順序で勉強します。アメリカの学校とかだと個の順序はサイコロで決めたりするそうです。

 

ブロック練習とインターリービングの比較では

 

授業の翌日のテストでは、インターリービング練習グループのほうが成績が25%アップ
1ヵ月後のテストでは、インターリービング練習グループのほうが成績が76%アップ

https://yuchrszk.blogspot.com/2015/09/blog-post_13.html

 

ってほどインターリービングが優秀。(ただし24時間未満の超短期的な学習効果はブロック練習のほうが高いため、授業内での理解度で判断される教師はブロック練習を使ったほうが高評価を得られるというジレンマがあったりする)

 

2.未知のジャンルはブロック練習

 

なんの知識もない状態でインターリービングを行うと、むしろ逆効果になるという研究データがあったりするので、例えばこれから初めて世界史勉強するんだーって人はブロック練習で一通り触ってからのほうが良いっぽいです。

 

その後にインターリービングを行って完璧にするって形が推奨されてたりします。

 

3.インターリービングのやり方

 

意識的にランダムにやろうとするのは意外と難しいので、サイコロを振って、出た目に応じて学習するとか、ルーズリーフに学習することを書いておいて、ランダムに引き出して勉強するとか。そういうやり方があります。

 

4.なぜインターリービングは有効なのか

 

・物事の共通点と違いがわかるから

 

いわゆる抽象化思考の類ですね。未開の地の原住民は点線の四角と実線の四角を四角形としてカテゴライズできなかったり、赤い糸と赤いリンゴを赤色として共通項を見いだせなかったりするんですが、そういう能力を伸ばすのにも強いっぽいです。

 

それのなぜ有効なのかと言えば、あらゆるものって比較していったほうがその特徴とかが際立ってわかるからなんですよ。

 

例えばiphoneの強みを説明しようと思ったらパソコンだったりandroidだったりカメラだったり、他のデバイスと比較しないと伝えづらいじゃないですか。

 

だから複数のものをランダムに学ぶと「あ、今学んでる○○は××とこういう違いがあるのか」って学習効率が上がるわけです。

 

・途中の情報が頭に入る

 

人間は最初の出来事と最後の出来事だけ覚えがちっていう特徴があったりします。つまり途中の情報は抜けちゃうわけです。

 

そこでインターリービングを使ってランダムに勉強すると、本来途中に学習するはずだったものが、最初や最後に来たりすることでしっかり頭に入ってくれるというメリットが有るわけです。

 

・検索練習の形を取るから

 

基本的に時間を開けて学習するほど記憶の定着率が向上するので、ブロック練習のように短期的に同じことをやるより、長期的に何度か触れる形になるインターリービングのほうが学習効率が高まります。

 

ちな、検索練習というのは忘れた頃に思い出す学習方法のことです。

 

5.インターリービングでやっちゃダメなこと

 

・遠すぎる情報を混ぜる

 

インターリービングは、例えば歴史なら世界史と日本史、はたまた地理もやってみたり。その他時系列をランダムにして学習する方法で、つまり特定のジャンルを抽象化して類似するものと合わせて勉強しようって話なわけです。

 

歴史だったら偉人だったり地理なんかも関連を見いだせるジャンルですが、植物は流石に遠すぎて意味がないって話です。

 

・同じ知識が使えることを混ぜる

 

一桁の足し算をしたあとに二桁の足し算をやったからといってインターリービングにはならないって話です。

 

特定の偉人の勉強をしていて、出生の頃をやってたけど次は晩年みたいに混ぜたとしても、共通の知識になるためあんまり意味がないです。

 

識別性を高めるためには比較できるものじゃないといけないので、足し算と引き算の違いはそれを高めるけど、一桁の足し算と二桁の足し算は特に発見はないよねって話です。偉人も同じく、一人の人物を追いかけても識別性を高める助けにはなりにくいってことですね。

 

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割とブロック練習派閥の人間だったんで衝撃的な話でした。前に小説家の先生の話聞いてたら、ミステリ書きたいならミステリを1000冊読みなさいみたいなこと言ってたんですけど、全然嘘なのでは?となったり。

 

いやまあ細かく見ると、同じミステリ小説の括りでもトリックや構成、魅せ方は違うから識別性を高めることはできそうではあるけど……。

 

インターリービングの難しいなと思うところは、学習対象を抽象化して類似ジャンルと勉強していくってことですよね。より強いアイデアを生むには遠すぎず近すぎずなジャンルが良さそうに見えますし。

 

まあいろいろ考えます。おわり

高再現性には手を出すな

タイガー・ウッズロジャー・フェデラーはよく比較されるスポーツ選手で、タイガー・ウッズは小さい頃からゴルフ一筋。数々の興味深いエピソードを引っさげて、幼い頃から成功を収めてきた天才で、ロジャー・フェデラーは様々なスポーツを小さい頃はやりながら、最終的にテニスをやり始めて最強のプレイヤーとなった人物。

 

よくメディアに取り上げられる成功者は幼い頃から一つのことをやり続けてきた、いわゆる専門タイプがほとんどなのだけど、この話には結構落とし穴があったりする。

 

サヴァン症候群は典型的な専門タイプで、だからこそ天才エピソードに事欠かないのだけど、サヴァン症候群ノーベル賞をとるような人物はいない(知る限りは)

 

ここが大きな落とし穴で、実のところ専門タイプで成功するにはジャンルが非常に大切なことがわかっている。

 

サヴァン症候群が生み出す天才エピソードを見ていくと、共通することとして、不確定要素がほとんどないジャンルであることがわかる。ピアニストなんかの逸話は多いけれど、ピアノはクローズドであるため、テニスのように相手のプレイスタイルの影響は受けない。

 

タイガー・ウッズのゴルフもそうだけど、専門タイプは共通してクローズドスポーツのような、不確定要素の少ないジャンルでのみ成功を収める傾向にあると判断されている。チェスやポーカー、将棋なんかも専門タイプが得意とするジャンルだ。(現代でAIが侵食してるジャンル)

 

こうしたジャンルはある意味高再現性のジャンルだと言える。もちろん最終的には才覚が影響してくるけど、その舞台に上がるためにはまず先人たちが築き上げてきた戦術の網羅が必須となる。

 

※面白い話として、チェスの世界で戦術(既存の手筋)をPCに記憶させ、戦略(どうやって戦うか)は人間が判断するというPCと人で一組の試合を行ったことがある。その結果、負け無しチェスプレイヤーは勝率5割、通常の対決では圧勝してきたプレイヤーに敗北したなんて話がある。

 

逆に言えば、その戦術の網羅をすれば舞台には立てるとも言え、時間はかかるけれど成長が保証されているジャンルだと言える。

 

だから専門タイプの人生設計、幼い頃から師匠の元ただひたすらにそれのみを触り続けてきた人間が成功を収めるわけだ。

 

では、不確定要素の大きいものとはなにか。

 

例えばノーベル賞を受賞するためには、この世界にまだない何かを生み出す必要がある。それはいくつかの知識が交差して生まれることが多く、実際ノーベル賞受賞者は9割以上がアートを趣味にしていることがわかっている。

 

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何が言いたいかと言えば、高い再現性を持つものというのはそれだけ先んじて勉強してきたやつが勝つ、努力ダンピング世界なんだよね。

 

それがいいという人はいいかもしれないけど、悲しいことに時間は有限なので仮に自分より5年先に始めた人間がいたとしたら、一日8時間として14,600時間の差が生まれるし、なにより努力ダンピング世界では誰もが努力で上に立とうとするからその差は大抵埋まらない。5年早く始めたやつはその5年のアドバンテージを手放すなんてことは決してしない。

 

いくら要領が良くても万単位の時間を覆すのは非常に難しいことだし、大抵相手は同年代になるから、遅く始めた人は負けることを繰り返してモチベーションは下がり続ける。

 

だから高再現性ジャンルはあんまりおすすめしません。

 

ただ、基本的にロジャー・フェデラーのようなスタイルはあらゆるジャンルでそれなりに好成績を収めるっぽいです。200年以上前にベネチアに存在したフィーリエと呼ばれる女性たちは、非常に優れた音楽技術を持っていたとされますが、その理由は彼女らが複数の楽器を演奏してきたからだと言われています。

 

まあ一人の音楽ではなく楽団としての音楽だからこそ、複数の楽器を学ぶことに意味があったという話で、一人でやっていくのなら専門タイプが優勢になるのではと思ったりもしますが。

 

なんにせよこの記事を読んでいる人の中に、まだ齢8歳みたいな子供が紛れ込んでいるなんてことはありえないでしょうし、いくつかのことを手広くやっていく方が長期的に見たらいいことが多いかもですよ。と思ったりします。

寝れないので最近読んだ本のをひとくちレビューしていく

カフェイン抜いたら眠すぎて昼寝したら夜ふかしコースに突入してしまった。

 

やたらめったら読んでたので、全部網羅できてるかわかんない。あと、仕事で読んでた本は身バレ回避のため避けます。仕事の本は全部で12冊ぐらい、多分。

 

完全無欠の賭け―科学がギャンブルを征服する

 

結構前に読んだのと、使えそうな感じではなかったのでうろ覚え。過去の事例を元に賭け事で勝利を収めてきた手法が色々書かれてる。最近のものだとブックメーカーだっけ。

 

近代になるとネット上の賭けに対してbotが最適解を叩き出して、それに対応できなかったやつが搾取されるって構図になってるっぽい。対人戦のポーカーですら、近代はGTO戦略とかいうのができちゃってるぐらいだし、確率がベースの勝負事は如何に熱に浮かされず、淡々と手を打つ付けられるかなのかなと思った。

 

イデア大全

 

典型的な満足度は高いけど、得られたものは何かと聞かれると特に何も浮かばない系の本。

 

選択肢が多いほど満足度が高まるけど、その代わり選択ができなくなるって研究があるんだけど、だからこの本みたいにいろんな手法をまとめてるタイプの本は取捨選択できる人じゃないと、なんかモヤッとした読後感になる。

 

個人的にはディズニーで使われてるとかいう、夢想家の部屋、実務家の部屋、批評家の部屋ってアイデア構想は面白いと思った。逆に言えばそれだけ。

 

ちな、この本を読んで「本書くときこのスタイルなら楽だし満足度上げられそうだな」と思ったりした。今後は読者体験の最大化を目的にしたいのでもうやりません。

 

本当の自由を手に入れるお金の大学

 

クソ売れてる本。順当に良かった。

 

いわゆる財テク本で、良く言われる携帯を格安simに変えようって話から、家賃の交渉方法、投資についてとかが書かれてた。

 

これをベースにより具体的なことを調べていくといいのかもしれない。お金のことをあんまり真剣に考えてない人に送ると捗りそう。

 

必勝法の数学

 

ムズすぎて何言ってるかわからなかった。ただ、例えばYoutubeネタとしてじゃんけんとかババ抜きとか2山崩しとか、そういうのの確率的に正しい戦略を動画にするというのはウケそうだなとか思った。

 

ついでにウェブページ作って、そこで実際に最適戦略を取るAIと戦えるとか、ランサーズで企画の趣旨を伝えず強いと思われるじゃんけんAIと対戦してもらうとかも面白そうだなとか。(勝敗をストックして勝率が出せる)

 

結局やってはいない。大事なのは戦略を考えることと、それを本当にやるべきか慎重に判断することなので(あんまり出来てないけど)

 

一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書

 

世界史勉強したかったんだよな~と思って手にとった。

 

なんとなーく読んだら全く内容が頭に残ってないので、マインドマップやらフラッシュカードやら片手にちゃんと勉強したほうがいいと思った。

 

一度読んだら絶対に忘れない世界史人物事典

 

世界史勉強しry

 

他の目的として、文章の冒頭に入れる引用文を考える上で、偉人知ってたら便利だよな~と思って買った。

 

結論から言えば、引用文を用意したいのなら名言集を買ったほうが100倍ぐらいマシだった。俺は一度書き込んだら忘れないストレージではないのだ。

 

人類最強のヴェネチア(小説)

 

本屋で「お、表紙ええやん!」と思って買った。とある作品のスピンオフの最新作で何一つキャラクター設定がわからず死んだ。

 

とはいえそういう作風と言われたらそうなのかなと思ったので、存在しない記憶に溢れながらなんとか最後まで読んだ。

 

読後調べて「これが初見の人間に売られてる世の中じゃなくてよかったわ」と思った。

 

アマテラスの暗号(小説)

 

小説というより陰謀論に軽くふるい分けされそうな日本史の解説本だなと思った。ちなみに何一つわからなかったので頭が爆発しそうになってた、なぜ買ったし。

 

主人公が歴史の解釈を言う(衝撃的内容)→周りの奴らが「そんなわけ…」と言いつつも反論が思いつかない。という展開が続いて、「さすおに感あるな……」と思って読んでた。でもこれぐらい思い切り良いほうが面白いのかもしれない。

 

日本史知識にゴリゴリ自信ニキならより一層楽しめる本なんだと思う。

 

殺戮にいたる病(小説)

 

描写がエグすぎて、外で読んでたんだけど、やたらめったら背後を気にしてしまった。怖いんよ

 

正直、読んでて感じてたのは恐怖心と登場人物たちへの「無能やん」って感覚だったのだけど、今にして思うと鬱々とした展開が肌に合わなかったと言うだけかもしれない。

 

ミステリ語るならこれを読めと言われてたりするらしいのだけど、確かに最後1ページの驚愕具合はすごい。もう一回読み返したくなるものあれは、まあ描写エグいから読み返してないけど。え、マジ?ってなるね

 

十角館の殺人(小説)

 

本格ミステリの金字塔、らしい。

 

本格ミステリという通り、クローズドサークルで人がどんどん殺されていく。この本も最後のひねりがすごい作品で、上の作品と違ってネタバラシにページが取られてるので満足感が高いと思った。(上の作品は構成上同じようには出来ないというのもあるだろうけど)

 

純粋に面白いと言えるミステリ小説って感じ。

 

謎解きはディナーのあとで(小説)

 

2巻まで読んだ。

 

本格ミステリ系のコメディより作品って感じ。ワンエピソードが短めで、なるほどこういうのが人気になるんだな~と思ってみてた。ドラマにしやすそうだなと思うけど、そもそも売れたからそうなったわけだし……

 

表紙ゲーだったりするのかなとか色々思いを馳せた。中身は本格ミステリに分類されるだけあって、トリックがちゃんとしてるなと思った。

 

執事の推理力はもはやコールドリーディングで当たればサイキック、当たらなければそれっぽいこと言ってお茶を濁すみたいな、そういう類のものにすら感じられるものがあったけど、作中の人というか主人公はそうとしか思えないと言ってたりするので、俺の考えが足りてないだけかもしれない。ちょっとおかしくねと思ったのは事実としてあるけれど。

 

よくわかる思考実験

 

スワンプマンとかトロッコ実験とかテセウスの船とか。オタクが好きそうな話がいっぱい。

 

読み終わったあと「どうやって使うんやこれ……」となってたけど、後々脚本の本を読んだ時、ジレンマをコンセプトにすると強いというのがあって、そこで使えるなと思い出した。

 

ロボとーちゃんはスワンプマンだし、シュタインズゲートはトロッコ実験だなとか思った。ちなこういう究極の選択をソフィーの選択と言ったりするらしい。

 

勝てるデザイン

 

デザインについて学ぶ助けになりそうな気もするけど、そんな使えるものでもない気がする。デザインに抜け道なしという話なのかもしれない。

 

個人的にワークシートは使えそうだなと思った。あと、良いデザインを作るためには良いコンセプトが必要というのも胸に刺さった。

 

ただ、逆に言えばそれぐらい。デザインを本業にしてる人だったらより多くのことが受け取れるのかもしれない。

 

シンプルだけど強い! 点・線・形から生まれるデザイン

 

絵心がなくてもこういうのを使えば多少はイメージを伝えられるんだなと思った。

 

事例が紹介されていく本で、どうやって点線形を使えばいいのかは特に解説されてなかった。

 

まあでも四角を使うとカクカクして理系っぽさが伝えられたりするんだなとか、視線が左上から動くことを考えるとそこから同じ図形を小さくしたり大きくしたりすれば拡大縮小のイメージが伝えられるなとか、色々思いついたことはあった。

 

コンサル一年目が学ぶこと

 

それなりにこういう類の本は読んできたと思うので、そういう意味でいうと目新しい情報はなかった。ただいい本だとは思う。

 

結論から話すべき、フォーマットとしてPREP法というのがある、って感じで専門用語の存在が知れたのは良かった。

 

専門用語を使うと判断のヒューリスティックと言って、自動的に聞く体制を取らせられたりするので。権威付け大事

 

感情から書く脚本術

 

個人的にここ3ヶ月ぐらいで一番いい本だった。

 

脚本術について何一つ知らなかった自分としては全てが新鮮で、多数載せられてる具体例は脳髄を刺激した。

 

久々にマインドマップを持ち出して勉強する予定。

 

ストラクチャーから書く小説再入門 個性は「型」にはめればより生きる

 

結構面白かった。3幕構成をより細かく知るのに使えそう。

 

アウトラインから書く小説再入門 なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか?

 

プロットの書き方とかコンセプトの考え方とかキャラクター設定とか。

 

ためになると言えばなるんだけど、正直コレとストラクチャryの本は、感情から書く脚本術で割と回収されてるので、そっちを完全に把握したらほぼいらない気がする。プラスアルファって感じ

 

ちなみにキャラクター設定の項目でエニアグラムの話が出てきたりする。mbtiを出すんだyo!(ちなみに非推奨らしい)

 

ピクサー流 創造するちから――小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法

 

ほぼ自伝、俺は正直合わなかったけど評価クソ高い。

 

「さっさと失敗させる」という方針やピクサーでも創業当初は赤字ばっかで随分とハードワークをしていたという事実は勇気がもらえる。トイストーリー2は最悪のプロジェクトだったようで、成功したからいいけど大変よなっていう。

 

そういう意味では生存バイアスの権化かも知れないけど、ピクサーの方針であるアイデアより人って考え方があれば、大してリスキーな選択じゃなかったのかも。

 

ただ、勘違いしちゃいけないのは、最高の人材が揃った上でっていう点よね。ブレイントラストっていう、素直に意見を言い合える場を用意するっていうのがピクサーの肝みたいなんだけど、そこに集まってるのが脚本について熟知している人たちだからこそ良いわけで、そこに我の強い素人が入った日には崩壊する制度よなっていう。

 

何が言いたいかと言えば、無能な働き者がいなくてよかったねという話。そう考えるとアイデアより人の裏には人(有能な人を集め、無能を排除する)ってのが隠されてるんだろうね、せちがら。

 

コールド・リーディング: 人の心を一瞬でつかむ技術

 

詐欺師になりたい人は読むといいです。

 

ざっくり言えばいい雰囲気を作って、当たらなくてもいいからそれっぽいこと言って、外したら色々展開しつつ相手から聞き出して、それでもダメなら謝ってさっさと次に行くって手法。……いや流石にざっくりすぎだから、気になる人は読んでくれ、具体例いっぱいなので

 

しかし、聞き出すのではなく話させるというテクニックは凄いなぁと思った。例えばそれっぽい雰囲気で「私には水難事故の映像が見えます、あなたに関わりのあることです」っていうのを語調を上げて言うだけで、言い切ってるような雰囲気なのに、質問にできるのだとか。確かにこう言われたら(水難事故なんてなんかあったっけ?)と思い返すし答えちゃいそうだよね。

 

影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか

 

積んでた本を改めて読んでみた。面白かった。

 

一縷の隙もなくトップクラスに凄い心理学の本だと思うので、揚げ足だけとると一貫性の原理で出てくる朝鮮戦争のときに中国が行ったとされるアメリカ捕虜への洗脳は、実際のところ拷問がほとんどだったとか、キティ・ジェノヴィーズ事件で知られる38名の人間が女性が暴漢殺害されるのを見てるだけだったというやつ。あれも実際は見てないって話らしいリンク

 

ただ、その辺の細かい事例は置いといて、普遍的に知られる心理学の悪用事例とか読んでいくとクソ面白いので、大人気なだけあるなって思った。とりあえず好意振りまける人間になりたいですね。

 

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他にも読んだ本あるけど、仕事関連なので伏せときます。その他読んでみたけどクソすぎて読むのやめた本もそこそこあるんですが、それらもめんどいので書きません。

 

もっと読んでるかな~と思ったけど、そうでもなかった。本書いてる期間、一切読んでなかったのでしょうがない気もする。(平均とると7冊/月ぐらい)

 

就職まで暇なので、また読書マン目指そうと思います。重いアウトプットもないし大丈夫でしょう。(一番の問題は書籍代よな…)

 

そのうち本整理して、良かった本まとめて紹介とかしたいですね。

 

おわり。