よく限定商法なんて言ったりしますが、「この機を逃したら二度と手に入れることはできませんよ」という感覚は訴求力がかなり高く、人の欲求を刺激します。
ただし強力がゆえに、人間自体もこの感覚をなんとなく理解しているフシがあるっぽく、直接的表現によって「兄さん、今を逃したらもうチャンスはありませんよ」みたいな事を言ってしまうと、評価は一転して詐欺師となり、大抵の場合は警戒されるだけされて結果に結びつくことはありません。
あくまで遠回しに今しかないということを伝える必要があります。
たとえば最初にも挙げた限定だったり
- 今日しかここに来る予定はなかった
- たまたま仕入れられて、次はおそらく一年後になると思う
- この観光地でしか売ってない商品です
- 地元の名産品です
などなど。いろんな表現で二度と手に入らないかもしれないという感覚を刺激します。
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ここで疑問となるのがもしも本当に二度と手に入らなくなった時、どんな感情を人間を支配するのかというと、それは圧倒的後悔です。
「どうしてあの時買わなかったのか」「なぜ手に入らなくなる可能性を考えなかったのか」十人十色で、その時のことを後悔しまくります。
この人間心理を利用してあえて一度「ちょうど売り切れてしまいました」のような表現を相手に伝えることで後悔させ、その後「運良く入荷して今一つだけ在庫があるみたいです」とか「確認間違いで実は一つだけ残ってました」みたいに伝えてより訴求力を上げる方法もあるぐらいです。
ちなみによく訃報が流れると「どうしてあの人が……」と今まで話題にも挙げなかったのにとても後悔しているような言葉がネット上に溢れかえりますが、まさにいま解説した「もう二度とあの人の言葉を聞くことはできない」という後悔からくるものでじゃないかと思います。
だからこそ死から復活したイエス・キリストは周りの人々から崇めたてられたのかもしれませんし、一度死んだと思われたキャラクターが実は生きていた演出をすると賛否両論気味にはなりますが喜ばれたりするのではないかとも。