かれこれトータルで見ると5年ぐらいサイト作って、えっちらおっちらやってるのですが、最近大打撃を受けてからいろいろ考えるようになってるんですね。
いつも「サイトで稼ぐというのは砂上の楼閣を作ることと同義だ」と思うようにしてはいたのですが、実際想像以上の打撃を受けるとなんとも言えない気持ちになるわけですわ。
この調子で毎年毎年サイトをGoogle先生の検索エンジンによって左右されまくりながら運営していくというのも嫌だなぁと思いまして、「いかにして砂上の楼閣サイトから抜け出すか」っていうのを考えるようになりました。
今回はその考えをまとめるためにちょっと書いておこうかなっていう記事です。
※4500文字とかになってしまい推敲する気失せたので内容はお察しください。
砂上の楼閣サイトとそうでないサイトの違いって何か
CSSなんかで困ったときにワードを検索したことがあるなら一度は見たことあるでしょう、とほほさんのサイト。あのサイトは1996年にできたながら未だにCSSの検索で一ページ目に表示され続けている、砂上の楼閣ではないサイトなんですね。
じゃあなんであのサイトは砂上の楼閣ではないのかっていうと、おそらくですがreturning userが多いからではないかと考えています。
この推測に至った理由はいくつかあるのですが、運営サイトの一つにTwitterからの流入でreturning userを稼いでいたサイトが、Twitterからの流入を減らし続けた結果4年の寿命を終えたという歴があるからですね。
ですのでここではいかにreturning userを稼ぐかが、砂上の楼閣サイトとそうでないサイトの境目になっていると仮定した上で話を勧めていきたいと思います。
returning userを稼ぐサイトはどう作るのか
頭こねくり回して考えたのですが
・診断系ページ
・まとめ系ページ
・習得系ページ
がreturning user(繰り返し訪れたユーザー)を確保しやすいかなと見ました。
診断系ページというのは16perなんたらみたいなサイトのことですね。Twitterなど見ましても繰り返し使っている人は多いと見えます。
他にも計算系ツールなんかも繰り返し使われそうですし、ツール系ページといっても良いかもしれません。
まとめ系ページというのは、例えば「MBTIを扱っている本まとめ」みたいなやつですね。もっと需要度の高そうなものにすると「東京都内のレジャー施設まとめ」とか。流石に範囲が広すぎるので、新宿とかで絞ったほうが良さそうですが、そんな感じの辞書的な使い方のできるページですね。
習得系ページは「クロールのやり方」みたいなやつですね。特に習得難易度が高いほど、くり返し見るケースが増えると思われます。
これらページを書く上で重要なのはトレンド傾向の強い情報を扱わないということでしょう。例えばまとめ系ページにしても「2018年旬の芸人まとめ」みたいなのにしたら1年しか持たないのが関の山ですからね、これでは砂上の楼閣サイトとなんら変わりません。
どうやってサイト構築をしていくべきか
※テーマ選びに関してここに書くと持ってかれる可能性があるので避けます。
サイト構築方法に関して、いつもどおりであれば適当に検索需要を抑えつつ、都度内部リンクを調整していくというのがやり方だったのですが、今回に関してはその方法は使えません。
というのも人間心理的にreturning userを多く確保できるサイトというのは、信頼性が高くなければいかんからです。ただ検索ボリュームの多いクエリを拾うだけでは、支離滅裂なサイトになってしまったり、記事ごとに結論が変化していて一貫性のないサイトになってしまう可能性が高まるますので。
というわけでまずはユーザー設定をして、次にサイト戦略を考えていくべきだと思います。
追記:クエリを狙った記事を書くというよりは、ペルソナに沿ったクエリがあればそれを狙うという方針になります。のでクエリがなくてもペルソナが求めているのであれば記事を書くことになりますね。
ユーザー設定
いわゆるペルソナ設定というやつをしていきます。
・年齢
・性別
・職業
・悩みの深さ
は絶対に設定するべきでしょう。年齢・性別で考え方や価値観は大きく変わってきますし、職業でどれ位の予算状況下も変わります。また悩みの深さによってどれぐらいのシリアスさで臨むべきかも変わってくるためです。
例えば「10代男性の高校生、泳げなくて単位が取得できないかもしれない」というのであれば悩みは結構深刻です。しかし放課後など時間の余裕は確保しやすいでしょうから、練習頻度を多く確保するような方針で講座系記事を組み立てることができます。
逆に「20代男性のサラリーマン、夏に海行くけど泳げないのバレるのまずい」とかであれば、お金はありますけど時間の余裕は一般的に少ないと見て良いでしょう。そうなると以下に付け焼き刃であろうと泳げるように見せかけられるかという方針で講座記事を書くことになるでしょう。
上記のようにペルソナを設定すればサイト全体での整合性も保ちやすいため、重要な工程になります。
サイト戦略
検索流入に頼らずreturning userを獲得するのが今回の狙いですので、ブランド力(信頼性)が非常に重要になります。
ではブランド力のあるサイトというのはどのようなものか、考えてみますとそれは特定ジャンルで1番良いサイトということではないかと推測しました。
例えば世界で最も高い山はエベレストですが、世界で2番めに高い山は知らない人が多いでしょう。
しかし世界で2番目に高い山を知らなくても、日本で1番高い山は日本国内に住んでいるなら知っていることかと思います。
つまり自分が一番を取れるレベルまで需要を絞り込んだ上でサイト作りを始めれば、ブランド力のあるサイトを作れるのではないかってことです。
水泳で例えますと、「泳ぎ方が習得できるサイト」では競合が多すぎますので戦いのは厳しいでしょう。ですが「クロールの泳ぎ方」ないし「クロールでの息継ぎをマスターするサイト」など垂直方向に掘り込めば掘り込むほど競合は減るため、戦いやすくなってきます。
また垂直方向に絞り込むだけでなく「モテるクロールの泳ぎ方」のように横方向への組み合わせで、需要規模を絞り込むのもありでしょう。というかどちらかというと垂直方向はみんな思いつく戦略ですので、競合をより減らすのであれば横展開をしていくほうがより効果的な戦略になるかと思います。
実際にサイト案を考えてみる
水泳の指南サイト、仮に「モテるクロールの泳ぎ方」をテーマにして作るとしましたら、
・美しく見える手の動かし方
・かっこよいバタ足の仕方
・誰にも負けない息継ぎ顔
みたいなコンテンツを作っていくことになるかと思います。
また講座系サイトになりますので、それらを
1.美しい手の動かし方
2.かっこよいバタ足の仕方
3.誰にも負けない息継ぎ顔
のようにナンバリングしつつ、動線を引いていくことになるかと思います。
ここからが問題なのですが、ぶっちゃけこのコンテンツで完結させた小さなサイトを作っただけでは、回収できるPV数が少なすぎて収益面的に不安が残ってしまいます。
returning user確保のための需要絞り込みで競合を減らすことはできましたが、競合が少ないということは需要規模も少ないということでどうしてもアクセス数が伸びないということが予測されるわけです。
じゃあどうするかというと横展開を駆使してサイトを大規模化させていきます。
※あくまで「モテるクロールの泳ぎ方」で十分にアクセスを確保できていた場合です。3ヶ月ほど様子を見てアクセス数がほぼゼロだった場合は、1.需要なさすぎてオワコン。2.競合が多かったり、勝ててなかったりで存在意義なし。ということなので別ジャンルで戦うなり、より絞り込みを強固にするなり戦略を変える必要があります。
横展開してサイトを大規模化させる
横展開というのは同階層にあるキーワードを組み合わせたり、関連性の高いキーワードを組み合わせたりする手法のことです。
例えばクロールと同階層にあるキーワードは平泳ぎだったりバタフライだったりですね。
関連性の高いキーワードをこのページではモテとしてますが、実際はどうか知りません。実際ここの調査は難易度高いですし、だからこそここを極めると競合に勝てるサイトを作りやすかったりするわけです。
今回「モテるクロールの泳ぎ方」で戦い、十分にアクセスを確保できたなら選べるのは2種類。
一つは「モテる平泳ぎの仕方」など同階層のキーワードに置き換える方法ですね。
もう一つは「カロリーを多く消費できるクロールの泳ぎ方」みたいに、モテるの方を変えてみる方法です。
基本的には前者の手法を選んだほうがサイトの一貫性を保ちやすいですので、後者はあまり選択したくない方針ですね。
ミート戦略もしてみる
ビジネス書とか好きな人なら聞いたことあるかもですが、ランチェスターの戦略シリーズの一つであるミート戦略ですね。
(ランチェスターの戦略には弱者編と強者編がありまして、ミート戦略は強者側のやり方です。ちなみに差別化の話はランチェスターの弱者編の話で回収されてます)
ミート戦略というのは、差別化して小規模な中で1位を獲得したサイトにコンテンツをかぶせていく手法のことです。
例えば「モテるクロールの泳ぎ方」で大成したサイトを見つけた「泳ぎ方」で最強の地位にいるサイト管理者が、自サイトに「モテるクロールの泳ぎ方」というコンテンツを作成するといったのがミート戦略になります。
「モテるクロールの泳ぎ方」のサイト管理者的には「海でモテるクロールの泳ぎ方」で人気出ているサイトがいたら、それにかぶせていくみたいな感じになりますね。
まとめ
・returning userを確保して砂上の楼閣サイトから卒業しよう
・returning userを確保するにはブランド力が必要
・ブランド力を得るためにペルソナを定め、サイト戦略を考えていく
・垂直展開と横展開をして、絞り込むをしつつ競合内1位をとれる状態にする
・完成したら3ヶ月様子見して、アクセス取れてたら横展開する(垂直方向にほりすぎるとジリ貧になりやすいのでやめといたほうが良い)
・ある程度returning userが取れるサイトになったら、コンテンツかぶせたりもする
今までの手法だとクエリを意識しまくったサイト作りをしていたので、なんというか戦略を練ってはみたけど感覚的に不安が残る戦略ですね。
とにかくクエリ無視してコンテンツを作成することになりますけど、「マッチするクエリあるんじゃね?」と思ったら一応調べて合わせる努力はするって流れになるんですかね。それともクエリは完全に無視したほうが安定するのか……
とりあえず戦略的にはこういう方向性で良いと思うんですが、やっぱいちばん重要なのはジャンル選びなんですよね。
今回の記事では触りませんでしたけど、どういうジャンルを選ぶかによってはどうあがいてもレッドオーシャンってことは十分ありえますから…。市場調査かぁ…めんどくさいなぁ
追記:
階層をズラさないってのも重要っぽい。
例えば「クロールの泳ぎ方」でサイトを作るなら、泳ぎ方という軸かクロールという軸はずらさない必要が出てくる。
どのワードがサイトにとっての重要度が高いのかも見当をつけておく必要があるかと思う