INTP型のブログ

苦味があるな?

文章表現においての面白い考察

これまで何度か面白いについて自分なりに考察してきました。

 

面白い掛け合いって何なのか考察してみる - INTP型のブログ

 

お話の作り方考察 - INTP型のブログ

 

物語というのはやってはいけないことほど面白い - INTP型のブログ

 

今回はそれの延長線上で、文章表現における面白いって何かを考えていこうと思います。

 

面白いにもいろんな形がある

 

例えば

 

  • 可笑しい
  • 興味深い
  • 役に立つ
  • 未知の体験
  • 激しい動き

 

などなど。

 

例えばお笑い芸人を見ても面白いと思うし、統計データを見て面白いと思うし、HowTo動画を見て面白いと思うし、知らないことを知ったとき面白いと思うし、アクション満載のカーレースを見て面白いとも思うわけですよ。

 

だから面白いと一口に言っても方向性って結構違ったりするのは前提として書いておきたいです。

 

【共感】あるあるネタなど

 

ツイッターでよくバズっているような、みんなが経験しているけれど特段言語化してこなかったことを140文字で表現すると面白いとなる現象。よくありますよね。

 

あるある探検隊なんかもウケましたし、あるあるネタという言葉が流通する程度にはやはり共感はおもしろコンテンツなのでしょう。

 

共感の延長線上には人気の映画だから人気になるっていう現象もあったり、なぜならこんな気持ちになったって話を共有して共感できますから。

 

ところであるあるネタって言うと青少年諸君は一回ぐらい架空請求を食らってビビったことあります?僕はまったくないんですけどある日母親が引っかかって実家の電話番号が変わったことならありますね。いやごめん嘘ついた、普通に引っかかりました。

 

【新規性】誰も見たことのない何か

 

いやそこまでの未知は流石にないでしょうけど、当人にとっての初めては確実に面白いはずなんですよね。

 

だからこそ同じ物語でも一度目より二度目のが面白さ減りがちなわけで、だからこそ記憶を消してもう一度見たいなんて感想が出てくるわけで。

 

仮に本質的な形が同じであったとしても、全てが同じでなければそれは新規性を得るとは思います。

 

例えばロボットが感情を理解して、プログラムにはない行動によって主人公を助け機能を停止する。なんてのはよくある話ですけれど、全く同じ話の流れ、登場人物でもない限りある程度の新規性は発生するはずですし。

 

いわばこれは好奇心なんですよね。次に来るなにかが予測できない、予測することが難しい。これが面白さにつながっているので、形として同じであっても「裏切ってくれるかもしれない」という期待を読者が持てる限りは新規性は失わないでしょう。

 

そういう意味では作者と読者の間にある信頼関係によっても新規性による面白さは担保されるのかもしれませんね。

  

【期待】ワクワクする何か

 

よく格闘マンガなんかで

 

  • 「ゾクッ こいつはなにか持ってやがる……!」

 

みたいに大抵スキンヘッドにしているおっさんが主人公を見出したりするんですけど、こういうこいつならなにかやってくれるんじゃないかっていう期待感みたいなのも面白さの一つですよね。

 

僕小さい頃ワンピースのアニメを良く見てたんですけど、なかなかルフィが到着しない中、なんとか仲間たちが耐えていてくれて、でも敵は強くて。死屍累々な状況下でついにルフィが到着、なんてときはやっぱりワクワクして面白いと感じたもんです。

 

こいつなら腐った世の中を変えてくれるかもしれない、こいつなら難攻不落と呼ばれたダンジョンを攻略してくれるかもしれない、こいつなら絶体絶命の危機をなんとかしてくれるかもしれない。

 

大抵こいつには主人公が入りますけど、そういう期待感ってのも面白さの要因だと思います。

 

まあもっとわかりやすいケースで言うとガチャとかパチンコも似たようなものではあるんですけどね。要は出るか出ないか、勝てるか勝てないか、達成できるかできないか。これが期待感による面白さなわけですから。

 

この期待感による面白さは中毒性を生みやすくて、僕なんかもスプラトゥーンで勝ったり負けたり1000時間ほどやってたりしてて完全に時間を無駄にしているなと思いますね。1000時間あったら何ができたかな、ははは。

 

【意外】予想だにしなかった何か

 

最近ダンゲロスって漫画本を読んだんですけど、シリーズの2つ目かな?

 

で、冒頭からめちゃくちゃヨイショされまくってて、こいつさえいればどんな状況も大丈夫みたいに書かれていたから、順当な予測をするのであれば「こいつがなんとかしてこの状況を突破するんやろなぁ」と思うわけですけれど、開始数分で死亡。主人公は脇役っぽい人でしたみたいな、逆に最近は増えてきた展開なような気はしますけれど意外は意外ですよね。

 

普通であれば期待通り、ルフィがきてちゃんと敵を倒してくれるってのが面白いわけですけれど、場合によってはクロコダイルに負けて絶望みたいなのも面白いわけですよ。

 

ただこの意外な展開ってのは扱いが難しくて

 

  • 実は犯人はひとつ上の次元から介入してきている神のような存在でした!

 

みたいな裏切りを普通のミステリ小説がやってきたら「は?ふざてんじゃねーよ金返せ」となるわけですわ。

 

あくまでギリギリであることが意外性の重要なところなんでしょうね。あ、ここでいうギリギリっていうのは予想できないけれど、言われてみるとそうなってもおかしくはなかったと納得できる状況を指します。

 

ルフィがクロコダイルに負けたのも、クロコダイルが強キャラである演出を重ねてくれていたから納得できたこと。逆に言えばルフィがなんの攻略法もなく気合だけで勝っちゃいましたなんて場合は逆にご都合主義すぎと冷めちゃうでしょうね。

 

意外というのは読者が普通に読解した場合予測する何かに対して、ギリギリの裏切りを見せることで、それが面白いにつながるって話です。

 

アメリカン】ぶっ飛んだなにか

 

僕が好きな動画にアメリカン姉妹のdbdってのがあるんですよ。

 

 

比喩表現で、発電機を回す時の気持ちを「クソのこびりついた便器を掃除しているときの気分」みたいに言うときがあって、それがツボにはまった記憶があります。

 

なんでこれが面白いのか考えたとき、多分突飛さが原因としてあるんだと思うんですよね。

 

あまりにぶっ飛んだ比喩表現だったからこそ、「何だそれ」と思えて、それが面白いにつながったんじゃないかと。

 

ボボボーボ・ボーボボなんかも突飛すぎるがゆえに面白いし、ぶっ飛ぶというのも面白さの一つでしょう。

 

そういえば中学生ぐらいの頃ふくらはぎがありえないほど硬い先輩がいて、その人のふくらはぎを「カロリーメイト入ってんじゃん」って言ったら笑ってもらえた記憶がありますね。突飛で面白さを狙うなら、比喩表現で攻めるのが良さそうかなぁ。

 

(多分ウケたのはうちの中学で携帯食としてカロリーメイトが一般化していたからなのもあるとは思いますが)

 

【緊張→弛緩】ジョーズ!…と見せかけて

 

よく海に行ったらサメの背びれが!ヤバい食われる……と思ったら背びれをつけて泳いでいた友達だった。

 

みたいなのを漫画で見るんですが、これは緊張→弛緩による面白さなのかなと。

 

安心感による「なんだよ~ビビらせんなよ~」みたいな感覚は面白いに含めていいと思うんですよね。

 

いないいないばぁなんかもまさにこれなのかもですね。「なに?いつも動いているマミーが止まった……!?何が起こっていやがる……こわ……って。動くんかーい」キャッキャッ

 

みたいな。

 

【変化】いわゆるギャップってやつです

 

定番ですけど、ヤンキーが甘いもの大好きだとか、イケメンが急にオタク口調で早口になってみたりとか。

 

ダークな方向だとめっちゃ明るいやつが実は家族を殺したやつの復讐に心燃やしていたりとか。

 

緊張→弛緩もそうですけど、変化に対して面白いと感じがちですね。人間。

 

【聞き間違い・勘違い】お笑いのネタでありがち

 

具体例書こうと思ったんですけど、面白さを伝えきれなさそうだったんで、一言で書いちゃうんですけどいわゆるアンジャッシュネタってやつですよ。

 

2chコピペの勘違いネタでいうと

 

100円で好きなお菓子を挙げようか


1 id:HPIO0w/rO
50円+50円等の組み合わせでもおk
俺はウエハース


2 id:jz6X144K0
うまい棒*10
俺は人間


4 id:KD314eP30
>>2のせいで>>1がウエハースにしか見えなくなってきた

 

とか。

 

この勘違い系のネタって、男女どっちかわからんみたいなのでも面白いが発生させられたりするんですけど、現実に起きたら失礼とか不快の感情を起こしかねないものだったりもするんですよね。

 

不謹慎は面白いに通ずるところがあるのかもしれません。

 

 

【俺だからわかる】優越感とかかなぁ

 

知能テストなんかは時々ツイッターでトレンドに上がってきたりしますけど、それぐらいにはコンテンツ力があったりするわけですよ。

 

何が面白いかって言えば「少数の人間しかわからないだろうことが分かった」という感覚なんじゃないかと。

 

小説でいうと、めちゃくちゃ難しい文章表現。美術館でほとんどの人は知らない歴史や技法を知っているからこそ感じられる面白さ。

 

なんかがここに分類されるのだろうと。

 

これはあくまで”ほとんどの人はわからない”ことが重要でして、わかるからといって1 + 1を見て面白いと感じられる人はまずいないんですよね。

 

これはエンタメ的にはパロネタなんかが当てはまるんじゃないかと思います。おいおいそれ90年代のネタじゃん、もう知ってる人まずおらんやろwwみたいな。

 

【とにかく可愛い】多分ほのぼのという感覚

 

ペットと遊んでいる人になんでペットと遊ぶのと聞いたら、多分面白いからとか癒やされるからあたりが答えで返ってくると思うんですよ。

 

じゃあなんで面白いのかを突き詰めると、多分ただただ無害で可愛いからなんじゃないかな~と思ったり。

 

ゆるキャンのんのんびよりなど、日常系アニメなんて言われるジャンル作品がありますけど、あれが面白いとなるのも同じ理由だと思うんですよ。

 

可愛くて、無害で、危険性がない。っていう、癒やしに属する面白さがあるからあれらは人に求められるのではないかと。

 

これを一言で言うなら多分ほのぼのなんでしょうね。

 

なんていうかほのぼのとした生命体が、なんかこう動いているだけでも面白いんですよ。言語化難しいな……多分猫動画とか見まくれば共有できる感覚なはず。

 

【動く】いっぱい動いてると面白い

 

からめるさんって方の動画とか、まさに動きによる面白さって感じがします。

 

 

アクション映画なんかも、動きによる面白さがあるんだと思います。

 

しかしただ動けば面白いという話ではなく、上に上げた動画なんか好例なんですけど、スピード感の変化こそ動きの面白さ何じゃないかと思うんですよ。

 

アクション映画なんかでよく急にスローモーションになるシーン入ったりしますけど、面白さのために必要だから入れてんじゃないかっていう。

 

【HowTo】やってみたい!と思える小技

 

 

こういう動画とか流行っていると思いますけど、これも面白いの一つですよね。

 

今まで知らなかったことを知れて、しかも自分の生活のクオリティを上げられるかもしれないという期待感が面白さの根幹でしょう。

 

逆にヤバいと思えるような情報も面白いと感じさせられると思います。

 

例えば電子マネーを使った場合と現金を使った場合だと、2倍以上電子マネーを使ったほうが財布の紐がゆるくなるみたいな。(確かね)

 

【喪失】失うとなぜか面白い

 

主人公の腕がちぎれ飛んでみたり、ヒロインが死んでみたり、能力を失ってみたり。

 

人間の恐怖を招くものとして喪失は非常に強力なものなんですけど、これも面白さにつながるっぽいです。

 

おそらくですが共感に起因するもので、作中のキャラクターの心理描写と事故の心理が共有されることによって面白さが発生するんじゃないかなーと思います。

 

また現実世界においてもシーンに対して抱いた感情を共有できるため、コンテンツ力が高まりやすいのかと。

 

ところで……

 

ここに書いてある内容は、実のところとある書籍の内容がほとんどだったりします。

 

もしも「こ、この人の分析すげー!!1」と思った人が居たとしたら、申し訳ない。すごいのは私ではなく森博嗣って人です。

 

 

面白いとは何か?

 

一応自己弁護をすると、丸写しというわけではなく、自分なりの解釈もそれなりに入ってます。え?むしろそれは最悪だって? なんのためにURLを載っけたと思ってるんですか、ぜひ購入してください面白いので。

 

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蛇足

 

なんのためにこんな記事書いているかといえば知識の整理のためなんで、こっからは整理した上で活用するとしたらどうすべきかを考えていきたいと思います。

 

割とコピーライティングの原則に通ずるところがある

 

コピーライティングで見出しに取り入れるべきは

 

  • 得になること
  • 新情報
  • 好奇心を煽る
  • 手軽さをアピール

 

なんて言われてたりするんですけど、これらって

 

  • 得になること→役に立つ面白さ
  • 新情報→新規性による面白さ
  • 好奇心を煽る→同じく新規性
  • 手軽→役に立つ面白さ(生活に取り入れやすそう)

 

って分類ができそうなんですよね。

 

だからなんだと言われたらあれですけど、コピーの世界も結局は面白いという感覚を意識してたのかもって話ですよ。

 

意外性はかなり重要度が高そう

 

100%予想通りであることは面白くないんですよ。

 

人っていうか動物は未来を予測する生き物なんで、とにかく予想されたとしても100%そうならない感覚を与えなきゃいけないわけです。

 

じゃあその感覚ってどうやったら読者に覚えさせられるのかと言ったら、「この作品に自分の予測は通用しない」って思わせることで、つまりは意外性が常に要求されているってことなんじゃないかと。

 

見返してもらえばわかるんですけど、面白さの表現は意外であることが大前提にありがちなんですよ。

 

だから面白さを作りたいなら意外であることが必要かなと。

 

じゃあどうやったら意外が生み出せるのかと言ったら……いい方法なんかあります?

 

結局はアイデアって話だから(意外な展開を考えろってのはアイデアの話でしかない)、アイデアを生み出し続けろってことなのかも知れないっすな。

 

まあただ意外性がなくとも、テンプレートとして用意されている面白さをなぞっていくだけで十分な面白さは用意できそうな気がします。

 

面白さをストックして、それをそのまま自作に落とし込むのではなく、抽象化して別の形に変えるって方が手っ取り早いかも知れないすね。