よくジェンダー系指数として挙げられる3つのものが
です。
ジェンダーギャップ指数は世界経済フォーラムが公表しており、ジェンダー不平等指数およびジェンダー開発指数は国際連合開発計画(UNDP)が発表しています。
世界経済フォーラム
1971年に設立された非営利団体で、世界、地域、産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組む、独立した国際機関。だそうです。
国際連合開発計画(UNDP)
1965年に設立された、世界の開発とそれに対する援助のための国際連合総会の補助機関。とのこと。本部はニューヨークで、常設駐在所は世界132箇所。
それぞれの指数が示していること
ジェンダー不平等指数(GII)
リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康), エンパワーメント, そして経済活動への参加の3つの側面で評価。
リプロダクティブ・ヘルスの状況は, 妊産婦死亡率と15-19歳の女性1,000人当たりの出生数で測定する。エンパワーメントの状況は, 立法府の議席に占める男女別割合と中・高等教育への進学状況を基準とする。経済活動への参加状況は, 労働市場への参加率で判断する。
そうです。要約すると
が判断要素ですね。
2018の日本の順位は(23位/160か国)でした。
ランキング→http://hdr.undp.org/en/content/table-5-gender-inequality-index-gii
ジェンダー開発指数(GDI)
8つの指標から評価される指数です。
ちなみにGERとは初等、中等、第3期の総入学率のことです。
これのデータを見てみたところ順位付けをするような感じではなく、グループ分けをしているだけっぽいです。
グループ1~5で分けられており、グループ1の国では、女性と男性の間でHDI(人間開発指数)の達成度が非常に高くなっていることを示しているんだとか。絶対偏差は2.5%未満だそうです。
GDIの測定・計算方法など、その他詳細はこちらのページを見てください→http://hdr.undp.org/en/faq-page/gender-development-index-gdi#t371n2908
ちなみに2018年度、日本はグループ1に分類されていました。
各国のデータはこちらから見れます→http://hdr.undp.org/en/content/table-4-gender-development-index
ジェンダーギャップ指数(GGI)
以下14を評価しています。
- 労働力の男女比
- 類似の労働における賃金の男女格差
- 推定勤労所得の男女比
- 管理的職業従事者の男女比
- 専門・技術職の男女比
- 識字率の男女比
- 初等教育就学率の男女比
- 中等教育就学率の男女比
- 高等教育就学率の男女比
- 国会議員の男女比
- 閣僚の男女比
- 国家元首の在任年数の男女比(直近50年)
- 出生時の男女比
- 平均寿命の男女比
日本は(121/153位)でした。
データはこちらから見れます→http://reports.weforum.org/global-gender-gap-report-2020/the-global-gender-gap-index-2020-rankings/
なぜデータ間で違いが出ているのか
GII、GDI、GGI。それぞれの評価項目を確認してみると、ある程度かぶっている項目もあります。
しかしGGIはほか2つの指数と比べるとかなり低い順位に位置づけていることがわかります。
なぜこのようなデータ間での違いが生まれるのか、それは計算方法の違いです。
GDIの計算方法
それぞれの指標の男女間の絶対偏差を算出しています。
絶対偏差についてはこちらのページを見てください→https://toukeigaku-jouhou.info/2018/10/15/mean-deviation/
GDIの計算方法→http://hdr.undp.org/en/faq-page/gender-development-index-gdi#t371n2908
GIIの計算方法
正直良くわかんなかったので理解できる人教えて下さい。。。
ここに書いてあります→http://hdr.undp.org/en/faq-page/gender-inequality-index-gii#t294n2918
GGIの計算方法
探し方が駄目で原本見つからなかったので引用だけ。
予想以上の反響なので、軽く検算してみました。#ジェンダーギャップ指数 は、以下の計算方法のようです。
— 須藤玲司 (@LazyWorkz) December 18, 2019
・14項目について女男比を求める。1.0以上は1.0に補正する(ただし健康寿命を除く)
・標準偏差から大項目(経済・健康・教育・政治)の加重平均をとる
・大項目4つの単純平均を求める
→指数 pic.twitter.com/dWYtyqEedG
計算方法はそんな感じだそうです。
GDIとは違い、女性の割合が多い場合は無条件で1.0と評価されるようです。
これについては各国のデータを見てみればわかります。
GGI日本のスコアデータ
英語版と機械翻訳版載っけておきます。
女性の比率が多い場合1.0を超えていることがわかります。
3つの指数で結果が違う理由
計算方法が違うからです。
正直ジェンダーギャップ指数、直訳すると男女格差指数なわけですが、どちらかというと女性活躍指数だと言わざるを得ない感じがします。格差であれば女性49:男性51と女性51:男性49は同じスコアでなければいけないはずですから。
とはいえGGIの結果は受け止めておくべき
議会の女性、官僚の地位にある女性、首相の年数など政治に関わる要素で女性の活躍度がほぼ無いに等しい状況です。
これは女性が政治に参加しにくい、参加したとしても煙たがられる土壌ができてしまっているのではないかと考えられますから、認識だけは最低限しておいたほうが良いのかもと思います。
(もちろん可能性だけで言えば他にも色々考えられますが)
GDIの算出方法は名目に対して少し違和感を感じるものではありますが、政治関連の項目についてはたとえ男女間のギャップを正しく反映したとしてもかなり低い数字になりえますから。
とはいえ、各年のデータをチェックしてみると日本少しずつではありますが改善傾向にありますし、余計なお世話かもしれませんね。
各年データはこちらから→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%94%B7%E5%A5%B3%E6%A0%BC%E5%B7%AE%E6%8C%87%E6%95%B0
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※こっからは蛇足です
GIIには立法府の議席割合が項目に入っているのに、その割には23位なのなんでなんだろと思い調べました。
GIIデータ→http://hdr.undp.org/en/content/table-5-gender-inequality-index-gii
こうしてみるとやっぱ低いんですよね。(GGIのデータよりちょっと多いけど)
だったらなぜ高順位なのかといえば、妊産婦の死亡率と思春期女性の出産率が低いからっぽいですね。アメリカさんは日本の5倍ぐらい?まあ思春期女性の出産が=駄目なのかっていう議論は難しそうなのでやめときます。(てかなんなら本当に思春期女性の出産率スコアが高いと駄目なのかすらわからんしGII、多分で書いた)
あとは中、高等教育への進学状況もそれなりにいい感じなのが理由ですかね。てかアイスランドさんはGGIでも1位だし、この国に関しては文句なしで男女平等国なのかも。
世界幸福度ランキングでも4位だし、困ったらアイスランドに行っとくべき?くっそ寒そうだけど
世界幸福度ランキング→https://www.huffingtonpost.jp/entry/world-happiness-ranking-2019_jp_5c906a19e4b071a25a85e44c
そんな感じの蛇足でした。