ダイバーシティとは集団において年齢や性別人種に趣味嗜好など、様々な属性の人が集まった状態のことを指していて、経営戦略の一つの方針として現代において重要視されてたりします。
で、ダイバーシティがなぜ経営戦略として重要視されているかと言えば、知識や経験能力の多様化にあるんですよ。別に白人と黒人が入り混じっていることが重要なのではなく、経営として大事なのは知識や経験能力の多様化です。
そう考えると、別に一人ダイバーシティも可能なんですよね。
「おいおい、また内向型がほざいてやがるぜ」
と思うかもしれませんが、この辺の話は経営戦略におけるイノベーション戦略においても触れられてる話なんですよね。
世界標準の経営戦略という書籍には「いま革新的なことをしている人は、ことごとくイントラパーソナル・ダイバーシティが高い」という記述があります。※イントラパーソナル・ダイバーシティ = 一人ダイバーシティ
具体例として日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017に選ばれた林千晶氏、小林せかい氏、小島由香氏が取り上げられていました。
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ではどれぐらいの知の範囲があればいいのかについて、カプランが論文において、イノベーションには少なくとも2種類の異なる成果があることを示しました。
更に実証研究として、今挙げた2つの種類の特許を分析し、どのような知識が必要とされたのか分析しました。その結果
- 前者を生み出すのはやや狭い範囲の知の探索
- 後者を生み出すのは広い範囲後の探索
ということがわかりました。
ブレークスルーなアイデアとは、例えば製薬会社が斬新な医薬品を開発するようなケースです。この場合は低分子医薬を研究していた人が抗体医薬を学ぶように、狭い範囲で知を探索したほうが良いということになります(書籍ではこれでも広いと書いてある)
経済的価値を生み出すのはそこから更に広い知の探索が必要ということです。言うなら医者がスポーツや詩、歴史やヒップホップを学ぶような。
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遠くの知は方向性に正直困る話だったりはしますが、指針としては「イノベーションとは、認知の範囲にあるお客様の問題を解決すること」という、ネスレ日本CEOの高岡浩三氏の言葉が参考になりそうです。
つまり遠い知の探索が経済的価値を生み出すというのは、様々な人間の悩みをキャッチすることができるからだと言えるのではなかろうかと思ったりします。
例えば私は中高大と長距離走をガチガチにやってきたので分かりますが、朝練習中にお腹が痛くなるとめっちゃ困るんですよ。でもこういう悩みって学生ランナーをやった人ぐらいにしかわからないと思います。普通にトイレ行けばええやんって話になりますから(実際は練習を途中で抜けるのは顧問が怖すぎて厳しい、前準備を怠ったことが怒られる)
ゴーゴーカレーの創業者は「創造性は移動距離に比例する」とも語っています。
また、世界標準の経営戦略の著者は「目をつぶって書店に入り、どこかわからない本のコーナーに行ってから、最初に掴んだ本を絶対に買って最後まで読み切る」という方法を提案しています。
個人的には悩みにフォーカスしたほうが経済的価値を生み出しやすそうに思えるので、その本はどんな悩みを解決するのか、どんな人に向けて書かれた本なのか想像するなんてのも良いように思います。
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mbtiの話をするとN/Sの知識をまたぐことも経済的価値を生み出すという観点で言えば重要そうに思えます。
現在は企業参入によって組織内でのダイバーシティが確立したためそんなこともないですが、一昔前だとS型向けのウェブサイトや動画はN型向けのウェブサイトや動画の存在数と比べると少なかったように思います。
これはS型の知識を持った人はN型の知識を持っていないし、N型の知識を持っている人はS型の知識を持っていないというのに準拠するように思います。(NはITに興味を持つ人が多く、Sは逆に興味を持ちにくい。Nは五感的要素ファッションなどに興味を持ちにくいが、Sは興味を持ちやすい)
悩みが解決されていないというのは
- そもそもその悩みを持っている人が少ない
- その悩みを解決できるほどの技術がこの世に存在しない
- その悩みを解決できる人に知られていない
の3パターンだと思っていて、1は旨味が少なく、2は修羅の道であるため、消去法的に3が一番の狙いになります。
では3のパターンはどんなケースで発生するのかと言えば、N/S的な趣味嗜好の分断や、居住地など空間での分断、年齢などの時間での分断が考えられます。
エリアや年齢の分断はネットで色々やりたい自分的には興味惹かれないので、N/Sでの知識またぎの情報獲得がとても魅力的に見えます。
そんな感じでした。